3月22日 就職面接
失礼します。初めての面接でとても緊張していた俺は、緊張と不安を抱えたまま、会社のエントランスに足を踏み入れた。「ソートミル株式会社」とでっかく掲示されていた。エレベーターに乗り込み、上階へと向かう中、俺は自分自身に問いかけた。
「まさか、こんな展開になるなんてな。どうして俺はこんな状況になっているんだろうか?」。いくら野球で鍛えてきたメンタルがあったとはいえ、就職面接は未知の領域であった。どうすれば受かるかなんて俺には全くわからなかった。
エントランスに到着すると、受付で面接の時間に間に合っていることを確認した。まだ、後5分。少し心が落ち着いた。待合室で、自分の出番を待つように指示された。こんな経験したことがないから、不安だな。よくわからないけど、バッターボックスに入るような緊張感があった。
さっきの受付にいた彼女がやってきた。俺は、面接室に呼び出されて大きく息を吐いた。そして、部屋をノックした。男性の声とともに入室し、椅子に座るように声をかけられた。もっと明るく大きな部屋を想像していただけに、どこか落ち着ける雰囲気があった。面接官は、男性みたいだ。面接官は、落ち着いた表情て名前を尋ねてきた。
まずは、様子見のアウトコースのストレートといったところだろうか?野球に例えるくらい、まだ余裕があった。「私の名前は、遠山陵と申します。本日はよろしくお願いします」。少しでも、礼儀よくみえるように微笑んだ。すると、面接官もこちらに対し、微笑みながら挨拶を返してくれた。
私の名前は、「中村賢太と申します。この会社のマネージャーをしています。わからないことや気になることがあれば遠慮なく仰ってくださいね」。面接官は真摯な目線で俺の方を見つめてきた。なんとも言えない雰囲気に俺は、戸惑った。ノーストライクワンボールから、インコースに甘いカーブを投げられ、見逃してしまったようなものだった。
しかし、まだ始まったばかり。切り替えて、面接官の方を見つめた。中村は、スイッチが入ったような気がした。そして、自己紹介をするように求められた。一瞬の迷いはあったが、頭の中で考えたことを伝えることだけを意識した。
「私は、生まれてから、高校3年生の5月まで長野県で過ごしてきました。しかし、父の仕事の関係上、5月から東京で過ごすことになりました。長野県にいた頃は、小中高とずっと野球をしてきました。その野球で鍛えてきた力をこの会社でも発揮できたらと思います」。




