3月16日 バス停
母 「雨、凄いね」
バス停まで走ってきたのは、お母さんだった。お母さんとこうやって話すのもどんどんなくなっていくのだろうか?
俺 「ヤバいね」
お母さんは、カバンに入っていたハンカチで髪の毛を拭いていた。
母 「お疲れ様、長かったね」
俺 「ああ。混んでるしね」
もう間もなく、バスがやってくる連絡が入った。俺もお母さんも喜んでいた。
母 「どうするの?」
俺 「何が?」
俺は、傘をふりながら、雨でついた水をとりはらった。
母 「これからだよ」
俺 「ああ、それね。今、お父さんから出された宿題やってるよ」
お母さんは、思い出したかの様に頷いた。
母 「そんなのしてるんだ」
俺 「ああ。疲れるよ」
3つの選択肢の中から、2つに絞ることはできた。しかし、そこから後1つにする作業は難しかった。
母 「難しいんかい?」
俺 「ああ。難しい。あんな問題、高校生は解けないよ」
俺は、お父さんの仕事が難しいと思っていた。
母 「お父さんも自分で誘ったのにね」
俺 「ホントだよ」
それでも、このまま問題を解かずに諦めたくなかった。
母 「まぁ、それくらい期待してるんじゃないの?」
そうなのかな?
俺 「ごめんな、大学に行かなくて」
母 「もう、決めたんだから頑張りなさいよ」
母は、もう大学については、気にしていない様だった。今日は、時間が経つにつれ、雨も強まっていく。雨は、なかなか止まないみたいだった。俺は、傘を閉じて、バスの待ち合いで待っていた。次のバスは、15時かぁ。
今日の天気予報は、雨だったけな?今日は、卒業式だった。雨の中、行われていたこともあり、想像していたよりも保護者は、来ていなかった。ただ、俺はこの柏第一学園の思い出はほとんどなかった。それもそのはず、5月からしかいなかったのだから。友だちも5人ほどしかいないし、卒業式も参加するだけでいっぱいだった。
卒業式は、約2時間。座ったり立ったりするのは、とてもめんどくさかった。でも、起立と礼の繰り返し。本当にうっとうしい。特に両隣は、ほとんど話したことがない生徒だったので何もすることができなかった。
来賓の話はかなり長い。一人ならまだしも、今年は三人も話していた。似た様な話をするんだったら、話すなよな。俺は、ずっと下を向いていた。そして、起立のタイミングで再び顔をあげた。




