2月25日 八幡修也
地元に戻って2日目。急遽、八幡と会うことになった。俺たちは、夕食を食べながら、話しをしていま。ただ、進路をどうするかという不安は拭えなかった。
八幡「久しぶり」
俺 「おう」
八幡は、満面の笑みで俺を迎えてくれた。
八幡「進路どうする?」
俺 「んー。わからんな。出たとこ勝負なんかな」
八幡「陵らしいな」
俺 「でも、第一志望落ちるとは思わんかったな」
八幡「まぁ、しゃーないやろ。第二志望は?」
俺 「まだやな」
一昨日、合格発表だったとは言えなかった。
八幡「受かるとええな」
俺 「そうやな」
ため息をつきながら答えた。
八幡「どうした?そんな第一志望いきたかった?」
俺 「まぁな。というか落ちると思ってなかったから」
八幡「そうよな。勉強してきたもんな」
こういう時、八幡は、俺の否定をしない。
俺 「第二志望いくか迷ってるんよね」
八幡「そうなん?」
俺 「うん」
何、話してんの?俺の後ろから、髪の長い女性が現れた。振り向いた瞬間、少しの涙がこぼれそうになった。彼女の名前は、"渡邉祐奈"。八幡の彼女だ。
渡邉「あっ、陵だ!」
俺 「お前、俺来るの知ってたやろ」
おそらく、八幡が呼んでくれたのだろう。
渡邉「どうだろね?」
八幡「ハハ。俺、トイレ行ってくるわ」
俺たちが話す時間を作るように、八幡はトイレに向かった。
渡邉「元気してた?」
俺 「おかげさまでね」
渡邉「それは、よかった」
俺 「そっちは、上手くいってんの?」
八幡と渡邉が付き合い出したのは、高校2年生から。もともと、渡邉が八幡を好きなのは、なんとなく察していた。しかし、俺も渡邉のことが好きだっただけに簡単に諦めることはできなかった。
渡邉「まぁ、ぼちぼちかな。修平は、野球ばっかだから」
俺 「あいつ、真面目やからな」
渡邉「ちょっとは、遊んでほしいねんけどね」
八幡は、やんちゃな部分はあるが、根は真面目。テストも常に平均点以上をとっていた。
俺 「言うたらいいじゃん」
渡邉「言えないよ。昔からの仲だし」
俺 「案外、ビビってんだね」
渡邉「うるさいな」
俺と八幡と渡邉は、小学校からずっと連んでいた仲だ。小学校から野球をしていた俺たちは、ずっと野球に明け暮れていた。そんな俺たちの救いが渡邉だった。