2月23日 衝撃
昨日は、本当に衝撃だった。郵便局員が届けてくれた封筒を開けると、まさかの不合格通知。現実が受け入れられず、何度も見返した。しかし、そこには、"不合格"の3文字しかない。頭が真っ白になった。
試験には手応えがあったため、この結果には納得がいっていない。なぜだ?母と父には、仕事から帰ってきた後に伝えた。どちらも、"気にすることはない"と言ってもらったが、合格という結果が出なかったことに対して、切り替えれていなかった。母には、第二志望が受かれば、そっちに行けばいいし、最悪、浪人もしてもいいことも言ってくれた。
第二志望の合格発表は、今日の14時から。第二志望の大学は、遠くて、ここから、通うことはできない。さらに、いきたかった経営学部ではなく、経済学部だった。彼女と別れ、第一志望にも落ち、俺のメンタルは、とても沈んでいた。すると、スマホが光っていた。電話だ。ボタンを押して、出てみると、八幡修也だった。
俺 「もしもし」
八幡「おぃー」
八幡の話をしたのは、1ヶ月ぶりだった。八幡は、東京まで遊びに来てくれることもあった。聖徳高校の中では、一番仲が良かった。
俺 「元気?」
八幡「まぁまぁかな。そっちは?」
俺 「第一志望の大学落ちて、メンタルやばいわ」
八幡「落ちたん?めっちゃおもしろい」
八幡は、推薦で関西の大学に合格していた。
俺 「やめて、へこむから」
八幡「もっとへこめ、へこめ」
俺 「野球部のみんなは、どう?」
八幡「そうね、みんな頑張ってるよ。もうすぐ、卒業式やし」
仲のよかった佐伯や定本とは、ときどき連絡はとりあっているが、八幡以外の野球部とは、もう7ヶ月ほど会っていなかった。寂しさというより、どこか懐かしさで胸がいっぱいだった。
俺 「もう、そんな時期かぁ」
八幡「卒業式の夜、野球部で集まるんやけど来ない?」
俺 「えぇ、行きたい。みんな来るの?」
八幡「今のところは、全員集まる予定」
俺 「楽しみー。行くから、みんなによろしく言っといて」
受験で落ちていたメンタルも少し回復した気分だった。
八幡「はぁーい。じゃあ、また」
俺 「あぁ。てか、なんで連絡してきたん?」
八幡「ひみつー。じゃあ、切るわ」
俺 「えー」
八幡は、一方的に電話を切った。なんで、八幡は電話してきたのだろうか?何か言いたかったことなのだろうか?