2月22日 ハンバーグ
いよいよ今日は、第一志望の合格発表だった。朝からソワソワしてしおり、菜緒のことがあまり気にならなくなっていた。合格発表は、13時とまだ、2時間ほどあった。今日は、15時頃から、ショッピングモールに行って買い物をする予定だった。
母も父も仕事に行っており、家には俺だけ。待っていてもソワソワするだけだったので、少し早めの昼食にすることに決めた。本当は、カップ麺を食べようかと思っていたが、甘いのほか時間があるため、ハンバーグを作ることに決めた。
勝手にハンバーグなんて作ったら、母になんて言われるかわからない。ただ、今は、作りたい気持ちでいっぱいだった。俺は、玉ねぎを取り出して、みじん切りをはじめた。久しぶりに行うこともあってか、とても目に沁みる。
切り終えた玉ねぎを水道水で洗ったボウルにいれた。そして、冷蔵庫からパックに入っている豚挽き肉を取り出す。菜箸でパックで固まっていた豚挽き肉をほぐす。なかなか、ほぐれず、約1分ほどほぐしていた。ほぐした豚挽き肉をボウルの玉ねぎと混ぜる。そこに、長ネギをみじん切りした袋と味の素をボウルの近くにおいた。
そして、長ネギのみじん切りを入れ、さらに味の素を混ぜる。最後に卵を入れ、ハンバーグのもとが完成した。俺は、手を洗って、混ぜたものをこねだした。こねている時に不合格だった場合、どうしようかということが頭をよぎった。明日は、第二志望の合格発表。ただ、第二志望の大学に行く気はあまりなかった。それだけに、今日の合格発表は、かなり重要だった。
そんなことを考えていると、なかなか手が進まなくなっていた。大体、ハンバーグを4つほど作り、焼く準備を始めた。フライパンに油をのせ、4つのハンバーグを全て入れた。かなり、肉汁が出ている様だ。フライパンにフタをのせ、5分ほど待つことにした。
もし、不合格だった場合、浪人するか?いや、浪人するくらいなら、どこかに就職して、働きながら勉強する方がいいんじゃないか。でも、父の様に、会社を起業したいという思いもあった。それには、大学に入って、大学に行ってしか経験できないことが必要なのじゃないか。それが何かと問われたら、わからないが。
5分が経過しハンバーグをひっくり返した。どれも、いい感じに焦げ目がついていた。肉汁もたくさんでており、とても美味しそうだった。ハンバーグをひっくり返していると、部屋中に匂いが蔓延していることに気がついた。慌てて、窓をあけて換気をしだした。すると、郵便局の人が来ていた。もしかして、、、、、。俺は恐る恐る、玄関先に向かった。