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続・昼休みを侵食

カレン、焼きそばパンを買いに行かせる。

 昼休みも半ばのため、購買にはほとんどパンは売っていなかった。


 だが、運良く焼きそばパンを一つだけ買うことに成功し、部室へとすぐに戻ろうと振り替えると……


「あ、旦那。購買とは珍しいね~」


 窓際に立っていた関沢さんが、声をかけてきた。


「ん? ああ、部活の一環だ」


「部活の?」


 きょとんと不思議そうな顔になる。


 まあ、無理もないよな。


「パシリを見たいそうだ」


「ふふ、何それ」


 可笑しそうに口許を手で押さえて、小さく笑われた。


「それで、何かようなのか?」


 わざわざ声をかけてきたので、何か用事だと思い、理由を聞くことにする。


「いや本当、こんなところで会うのが珍しいからさ、声をかけただけだよ」


「そうか、じゃあ」


「あ、そうだ。旦那」


 立ち去ろうとしたところで、呼び止められる。


「どうした?」


 何か迷っている表情だったので、優しい口調で聞く。


「あの、あのさ……カレンちゃんと暮らしてるって本当?」


 すぐそばまでよってきて、小声でそう聞かれる。


「う、ああ……遺憾ながら、本当だ」


 和花にでも聞いたのか? あまり知れ渡ってほしくないな。


「本当なんだ……その、迷惑じゃなかったらなんだけど……近いうちにさ、和花を晩御飯に誘ってくれない?」


「え? どういうことだ?」


 いいづらそうに言うので身構えていたが、予想外のお願いに力が抜ける。


「最近、旦那の家に行ってないみたいだからさ。旦那から誘ってやってよ」


「迷惑じゃないなら俺はいいけど、どうしてそんなお願いを?」


「元気ないんだよね。本人は隠しているつもりでも、私には分かるの」


 俺の目を見て、まじめな顔でそう言ってきた。


「家に呼べば元気になるのか?」


 そもそも、俺の家に来れば元気になる理由が分からん。


「はぁ、旦那はやっぱ鈍感だね?」


 俺が鈍感? どういう事だ? てか、そろそろ戻らないとな――


「よく分からんが、了解だ。この後、誘っておくよ」


「うん、約束だよ! 引き留めてごめんね」


「いや、良いぞ別に。じゃあ、また」


 そう言って、俺は部室に向けて歩き始めた。


 ・・・・・・・・・・・・


「あ、サムライマスター。遅かったですね」


「何かごめんね? 樹君」


 部室に戻るとカレンは不思議そうに、和花は買いに行かせたことを謝りながら、出迎えてくれた。


「悪い悪い。ほら、一つだが買えたから、分けて食べてくれ」


 紙袋から焼きそばパンを取り出して、カレンに手渡す。


「おぉ、これが焼きそばパンなんですね~」


「あ、一つしかないなら、かれんちゃんが食べていいよ?」


 和花が遠慮をして、そう申し出る。


「それはダメデス! 部活はみんなで取り組むものなのデス! さ、座って食べるデス」


 カレンのその言葉に、少し笑ってしまう。


「どうしたの? 樹君」


「いや、昔からカレンは、ああだったなって」


 おやつを分け合って、食べたりした日の事を思い出す。


「そうなんだ……」


 どうしたんだ? なんか寂しそうだな。


「早くしないと、昼休み終わってしまうぞ?」


 俺はそう和花に言って、椅子の方に向かう。


「うん」


 和花もその後に続く。


「それでは、いただきますデス」


 俺達が座ったところで、カレンがそう言って、手を合わせる。


 一つの焼きそばパンを、三人で分け合って食べることになった。


「パンで焼きそばを挟んだだけなのに、妙にあとひく美味しさデス」


「うん、紅しょうがも良い感じだね?」


 二人とも一口かじって、感想を言い合う。


 その嬉しそうな表情に、買ってきて良かったと思った。


「喜んでもらえて良かった」


「はい、パシリありがとうございますデス」


「その言い方は、どうなのかな? 樹くんありがとうね」


「パシリって言い方は無いよな」


「だよね」


「どうしてデス? 友情の証ではないのデスか?」


 俺と和花がそう言うと、不思議そうにカレンがそう言ってくる。


「はぁ。カレン、日本語まだ苦手なのか?」


 少なくとも、4年間は日本で過ごしているはずだ。


「そんなことないデス! 漫画で覚えまくったデス」


「漫画でって、日本語はまだまだだな」


「そんな~。サムライマスター、日本語を教えてくださいデス」


「なんで俺が?」


「私が読んだ漫画はほとんど、サムライマスターが読んでいたものデス。それが否定するなら、責任を取るべきデス」


 いや、どういう理屈だ。なんでそんなに、得意げな顔をするんだよ。


「分かった、教えてやるよ」


 ツッコミをいれそうになったが、なんとか堪えた。


 ちゃんとした日本語を教えたら、俺の過去を口にするのも恥ずかしくなるはずだと考えたのだ。


「ふふ、本当に仲が良いね?」


 和花がその様子を見て、そう声をだす。


「そうか?」


「yes! サムライマスターと私は、ラブラブデス。ひゃぃ、痛いデス。サムライマスター」


 変なことを言ったので、デコにデコピンをしてやった。


「妙なこと言うな。そうだ、和花」


「どうしたの?」


 急に名前を呼ばれて、不思議そうに和花は声をだす。


 まあ、このままだと誘うタイミングを失いそうだったので、声をかけたわけだが……何て言えばいいんだ?


「あの、そのな……今日は暇か?」


「うん、部活ないなら予定はないよ?」


「部活はありますデスよ?」


 カレンが話に割って入ってくる。


「最近来てないだろ? 晩御飯食べに来ないか?」


 カレンの言葉を無視して、話を進める。


「え? でも……」


 カレンの方を見ながら、何かを悩んでいるようだ。


 関沢さんが言うように、遠慮している感じがした。


「カレンも良いよな?」


「ふぇ? もちろん良いですよ? みんなで食べた方が、美味しいデス」


 思った通り、カレンも賛成してくれる。


「そうなの? ありがとう。じゃ、お邪魔させてもらうね?」


 カレン言葉に和花は遠慮がちに、そう返事をくれた。


「邪魔なんて、思わないぞ? 和花は何時きてくれても良いんだし」


「ふぇぇ?」


 なぜか和花が、顔を赤らめる。


「サムライマスター。浮気、ダメデス」


 カレンよ何を言っているんだ?


「わけの分からんこと言ってないで、教室に戻るぞ?」


 時計をみると昼休み終了まで、5分を切っていたので、そう声をだす。


「うん、戻ろう」


「むむ~、仕方ないデス」


 嬉しそうな和花とは違い、カレンは不機嫌な顔のまま、立ち上がる。


 そこからは、晩御飯をどうするかを話ながら、教室へと戻ったのだった。









鈍感、主人公ーーー!


さて、この作品は内容が無いようで、ちゃんとあるんですよ!(なぜ得意げなんだ)やばいです、ないようがないようでで、ツボりましたです。


休みだからか、後書きがスラスラかけます。実はこの作品は今のところスマホのメモ機能で書いたものを手直しして、アップロードしてます。


毎日、10分15分くらい意識がある間は、帰りの電車で書いてます。外だとネットにつながらない? 繋げないそれが私の月末なので(笑)ほんとね、週6電車乗って仕事してると家がホテルみたいな錯覚が……


おっと、話がそれてしまいましたね。ここまで読んでくださった優しい方、この話はたぶん(笑)50,000文字くらいから、内容が動き出すかとです! 感想とか待ってます


それでは次回も読んでもらえると嬉しいです

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