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平和な日常侵食加速③

何時もの日常、でも少しづつ胸の中は変化していて

「今日って、和花のお父さん帰ってくるか?」


 学校からの帰り道、和花にそう聞く。


「どうだろ? 前に樹君の家に泊まった時以来、帰ってこないから」


 和花はどこかしょんぼりとしながら、そう教えてくれる。


「そうか……帰ってきたら、教えてくれないか? 話したいことがあるんだ」


「うん、分かった」


 どこか気まずそうだな。


 まだ仲直りしてないのか……


「そうだ、この後家に寄らないか? 夕飯食べてけよ」


「……うん、ありがとう。お邪魔させてもらう」


「それじゃぁ、和花の好きなものを作ろう」


「ふふ、ありがとう。じゃぁ、パスタ系でお願い」


「おう、任せとけ」


 和花が笑ったのを見て、少し安心する。


 後は料理でさらに元気にするだけだな。


 ・・・・・・・・・・


「ただいま」


「お邪魔します」


「サムライマスター」


 玄関を開けると、飼い主の帰宅を待ていた犬のごとく、カレンが駆け寄ってきた。


「どうしたんだ?」


 鞄を床に置いて、そう声をかける。


「どうもしないデス! おや、和花も夕食、食べていくデス?」


 和花に今気づいたのか小首をかしげて、和花にそうカレンは声をかけた。


「うん、いいかな?」


「もちろん、ウエルカムデス」


 カレンは笑みを浮かべて、手招きしながらリビングに歩いて行く。


「さ、行こう」


「うん」


 和花と二人でリビングに向かう。


 手を洗い早速、夕飯の準備をし始める。


 といっても、パスタを茹でるだけなんだが。


「本当に座ってていいの?」


「おう、茹でるだけだし」


 椅子に座った和花にそう返して、パスタを茹でていく。


「サムライマスター。お茶と皿の準備完了デス」


 俺達の間をいったり来たりしながら、カレンが報告してきた。


「ありがと」


 茹で上がったパスタを湯切りして、ボールにいれる。


 上からチーズタラと故障をかけて、完成だ。


「もうできたんだ」


 テーブルにボールを持っていくと、和花は驚いたような声を出す。


「サムライマスターの、最ウマ料理デス」


 カレンは椅子に座って、嬉しそうにフォークを握る。


「何だよそれ」


 少しだけ、カレンのパスタを多めに入れて渡す。


「ありがとう」


 和花に渡すと、少しだけ元気がない返事が返ってきた。


 カレンのが多いのに気づいたか?


 三人で手を合わせて、食事を始める


「どうだ和花?」


「うん。これ、すごく美味しい」


 一口食べるのを見て声をかけると、嬉しい感想をくれた。


「良かった」


 カレンはすごい勢いで、パスタを巻いている。


 そして、幸せそうに頬張っていた。


 楽しく談笑を交えながら夕食を終えて、和花を玄関まで見送る。


「今日は、ありがとう」


「何時でも来いよ? 悩みあるなら聞くし」


 驚いたような顔をして、{え?」っと声を漏らした。


「なんか元気がないからな……家に来てからも少し暗いしさ」


「それは少し違うけど……樹君の部屋に行ってもいい?」


「違う? まあ、部屋で話すか」


「うん、ごめんね」


「良いよ別に」


 カレンは風呂に行ってしまったし、いちいち言わなくていいだろう。


 俺は和花と自分の部屋に移動した。


 ・・・・・・・・・・


 うん、なんか気まずいな……


 五分ほど時間がたったが、和花は机の前の椅子に腰を掛けたまま、一言も話さない。


 俺はベットに腰掛けて向かい合ったまま、どう切り出すか悩んでいた。


「あのね、樹君……」


 何かを言いかけてやめてしまう。


「どうしたんだ? 言いづらいことなのか?」


 もしかして、部屋が臭いとかだったらどうしよう。


 掃除は毎日してるんだけどな。


「あのね、樹君!」


 胸に手を当てて、和花が大きな声を出す。


「ど、どうしたんだ?」


 緊張して、声を上擦らせてしまった。


「私、樹君がカレンちゃんと仲良くしてるところを見ると……少し焼いちゃう」


 最後の方は、声が小さくて聞き取れない。


「え? それって……」


「心が狭いのは分かってる。でも、私がいない間に二人がどんどん遠くに行っちゃうみたいで、ついね」


 俯いて、肩を震わせている。


「そんなことない……どこにもいかないよ。俺もカレンも和花の事が好きだから」


 ベットから立ち上がって、和花の側に行き頭を撫でる。


「ありがとう……でも、そこはお前が一番だって、言って欲しかったな」


 和花は泣きながら、笑って見せてくれた。


「何だよそれ。俺には似合わないだろ」


「ふふ、確かにそうだね」


 おかしくなって、二人で笑う。


「和花の声がしますデス」


 突然部屋のドアが開き、カレンが入ってきた。


 下着姿で――


「か、カレンちゃん!?」


 和花は驚いた声を出して、立ち上がる。


「はしたないから、服を着ろ!」


 俺はすぐに後ろを向いて、そう怒鳴った。


「え~、暑いのデス」


「樹君もいるんだよ? 服を着ないと」


「サムライマスターなら、見られてもいいデス」


「おし、なら恥ずかしくなるまで、見てやる――グファッ!」


 振り返ろうとして、和花に蹴りをいれられベットにダイブする。


「樹君のスケベ、すけこまし」


 なんか以前にも似たこと言われたような気が……


「和花、私の部屋にいくデス」


「うん、行こ行こ」


 二人が出ていく足音を聞きながら、俺はベットから起き上がる。


 まぁ、和花が元気になったなら良かったのか?


 痛む腹部を押さえながら椅子に座り、今日出された課題を始めるのだった。










文字数調べて良かったです笑。このままだと九万文字後半で完するところだったです笑


今回は主人公の魅力のお話ですカッコいいと思えてもらえると嬉しいです


さて、本当に完結が近づいてきて、悲しいやら、嬉しいやらこの三人なら、百万文字は書けそうですから笑

もし少しでもいいなて思って下さりましたら高評価といいねをよろしくお願いします。。よおつべ感笑

では次回も是非、遊びに来てくださいね

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