テストの結果 俺の戦いはこれからだ! あれ? 侵食は?
テストの終わり、樹の胸はモヤモヤで?
人生とは選択肢の連続である。
どこかでそう聞いたことはあるが、この選択は良かったのだろうか?
テストの選択問題を睨みながらそう思案する。
問一、誠は美亜に告白することにしました。ですが幼なじみの美広ちゃんも好きなので困っています。次のうち一番正しい答えを選びなさい。
一、美亜付き合う。
二、二人と平等に付き合う。
三、美亜とやることだけやって、美広と付き合う。
保健体育の問題でこの問題は意味が分からないが、この主人公はクズだな。
勿論一番以外に選択肢はない……はず。
このテストが終われば期末も終わり、俺の家でささやかなパーティーの予定だ。
チャイムが鳴り、テストが回収されていく。
「では、これで期末テストは終了だ! 速やかに帰宅するように」
菖蒲先生がそう言って解散の指示を出す。
終わったな……後は結果を待つだけだ。
・・・・・・・・・・
「乾杯デス」
「「乾杯」」
カレンの号令で、俺と和花も乾杯する。
俺の家に集まって、夕食を兼ねたパーティーが始まった。
テーブルの上には、出前で頼んだピザやポテト、チキンが並んでいる。
「テストどうだったデス?」
「ぼちぼちかな? 樹君は?」
「俺もそんな感じかな? 上位には入りたい」
「サムライマスターなら、確実デス」
「ありがと、でも、カレンは負けを認めるのか?」
ピザを一枚とりながら、そう返事を返す。
「それを超えるのが私デス」
嬉しそうにポテトを食べながら、そう言われる。
「負けって、何か勝負してるの?」
和花がピザを取りながらそう聞いてきた。
「サムライマスターが、何でも言うこと聞いてくれるんデス」
俺が答えるより先に、カレンが答えてしまう。
「えぇ! 本当なの?」
「まぁ、万が一にもないがな」
「そうかなぁ~」
和花は不安そうにピザを齧っる。
「絶対勝って見せるデス」
三人で談笑しながら、楽しく食事を楽しむ。
ピザが無くなったタイミングで――
「カレン、頼む」
俺は立ち上がって、そう声をかける。
「ガッテンデス」
俺の言葉にカレンは立ち上がって、敬礼を見せてきた。
「? どうしたのかな?」
「それはもちろん――」
カレンは冷蔵庫を開けて、白い箱を運んできてくれる。
その間に俺は紅茶と皿の用意を済ませておいた。
「ハッピーバースデーデス。和花」
「ありがとう。カレンちゃん」
カレンが開けた箱の中のケーキを見て、和花が目を輝かせる。
「あらためておめでとう。和花」
紅茶を配りながら、そう言う。
「うん、樹君もありがとう」
打ち上げと称した和花の誕生日は、楽しく過ごせたのだった。
・・・・・・・・・・
「ついに結果発表デスね!」
「そうだな」
カレンと廊下を歩きながら、緊張で胃が痛くなってくる。
上位百名が貼りだされるらしく、昼休みの今、それを見るために何名かの生徒が集まっていた。
「あるデスかね~」
二人で名前を探す。
「あ、あった……」
「私もあったデス。負けてしまったデス」
カレンはそう言いながらも、そこまで悔しくなさそうだ。
でも、これは凄いな。
俺が二位で、カレンが四位。
日本語が怪しかったのに、カレンが上位に入っている。
「カレン、凄いなおめでとう」
俺はカレンの頭を撫でた。
「ありがとうございます。サムライマスターも、流石デス」
カレンは嬉しそうに目を細めて、そう言ってくれる。
「しかしまさか、和花も五位に入っていくるとは……」
知り合いばかりがここまで、上位を独占しているのに驚く。
因みに芳は一位だ。
・・・・・・・・・・
「さて、君たちを呼び出したのは、何故か分かるか?」
放課後、菖蒲先生に言われて、進路指導室に俺を含め五人の生徒が集まっていた。
その中の一人は見たことのない、女の子だ。
「特退進学の事ですか?」
芳がそう聞く。
「そうだ。この中でそれはいらないというやつはいるか?」
誰も声を出さない。
まぁ、断る理由もないし。何より、カレンはともかく全員それ狙いだろう。
「よし! では、夏休みも特別講習に参加させてやる。喜べ」
「あ、私、用事があるのでドロンデス」
カレンが逃げ出す。
「いや、聞いたからには逃がさん」
菖蒲先生につかまってしまったが。
「夏休みも学校で授業をしてもらえるんですか?」
俺はそう質問する。
「ああ、そうだ。進学に向けて、もっと身を入れるようにな」
カレンを拘束したまま、そう教えてくれた。
それなら効率もいいか……
これが上位者への配慮か。
その後、詳しい日程を聞いて、解散となった。
鞄を取りに教室に戻って、皆で少し談笑をする
和花は普段と変わらない様子で夏休みの話をして、カレンは嫌そうな顔でそれに返事をして、芳はそのやり取りを見て笑う。
カレンが来てからの日々は、笑いが絶えないな。
俺はその光景を眺めながら、こういう生活も悪くないなと思った。
書きましたよ笑 感想、いいねしてくれてもいいんだから!(ツンデレ)
sて、次回は和花のお父さんと対決そして、物語は終幕にちかづきます!
ぜひ次回もお願いしますデス




