和花とお出かけ このああとの展開を俺は予想していなかった 侵食加速①
デートの続き、少し短めです。この後が少し長くなりそうなので(笑)
「ふふ、ごちそうさま」
「ああ、満足してもらったなら良かったよ」
レストランを後にして、ショッピングモールをぶらつく。
「ねぇ、服屋さんに少しよってもいい?」
「ん? もちろん良いぞ? 映画まで時間あるしな」
館内に掛けられた時計が正しければ、まだ一時間は時間がある。
「ありがとう」
俺達は三階のフロアーに移動した。
「あれ、ここメンズフロアーだぞ」
「うん、大丈夫。樹君に服をプレゼントしたいだけだから」
「え? 何で?」
「だって……ご飯のお礼にならいいでしょ?」
俺を見て少し黙って、そう言ってくる。
もしかしたらご飯の代金を出さなかったのはこのためか?
「どうしてそこまで俺に服を渡そうとするんだ?」
今着てる黒色のシャツも、ジーンズも去年に和花からのプレゼントでもらったもので、事あるごとに服をくれようとするのだ。
「あの、怒らないでね?」
「お、おう」
なんか怖いな……
「樹君、家だとスエットだし。外に出るときはほとんど制服のカッターシャツと指定のズボンだよね?」
「そうだな」
服を買うのがもったいないので、自分で買うのは下着くらいだな。
「あのね……せっかくで、一緒に出掛けるならオシャレして欲しいかなって……」
途中何かを言うのをやめて、そう言ってくる。
「なるほど……そういうもんなんだな」
今日は和花とのお出かけだからこの服を着たけど、カレンもそんなふうに思っていたのか?
「怒ってない?」
「怒るわけないだろ。確かに和花がこんなにも可愛いい格好してくれてるのに、俺だけ普段着も変だな」
「……」
そう言って笑顔を向けると、和花は顔を赤くしてうつむいてしまった。
「どうしたんだ?」
「な、何でもないよ。じゃぁ、行こうか」
「あ、お金は出すぞ? 銀行だけよらせてくれ」
俺はそう言って、案内板に書かれているATMに向かう。
・・・・・・・・・・
「お似合いですね! お客様」
「そうなのか? 和花?」
「うん、すごくいいよ」
和花に連れられて入った店は、俺でも見たことある衣料量販店だった。
そこで見繕ってもらたシルエットデザインの茶色のジャケットを羽織って、デニムパンツに履き替え更衣室から出たところ、店員さんに声をかけられたので近くにいた和花にも聞いてみたのだ。
似合っているのか……思ったより安いしこれにしておくか。
「すみません。これ着て帰るので、このままお会計でもいいですか?」
「もちろんです、お客様。彼女さんも喜ぶと思いますよ」
また和花を彼女と思われてしまった。
俺は笑ってごまかして、レジに向かう。
「あ、お金……」
俺は財布を出そうとする和花の手を抑えて、素早く会計を済ます。
「選んでくれてありがとな。これからも頼っていいか?」
店を出ながらそう声をかける。
「うん、もちろんだよ」
その後は和花お勧めの映画を見て、帰路に就いた。
にや、文字数計算したらヤバいってなったので、少し内容を変更してますすみません。
さて、服がダサい樹君オシャレして帰れば……次回も読んでもらえると嬉しいです




