深夜の会話 俺は侵食されていた
少し短めですが、物語の重要な話です。この話は必読?でお願いしたいです。初めて読む読者様でもここからでも楽しめますので(笑)読んでみてくださいです
「う、う、うー、うっはぁー」
突如呼吸ができなくなり目を覚まし、起き上がる。
クスクスと押し殺した笑い声が、俺の横で聞こえてきた。
幽霊か? いや、今は息ができる。
金縛りもない。
「サムライマスター、おはようございますデスよ」
混乱していると、カレンの声が聴こえてきた。
「もしかして、カレンなのか?」
部屋の電気を消しているため、良く見えないまま、声のする方に声をかける。
「yes」
カレンの声とともにカーテンが開き、月明かりに照らされたカレンの顔が部屋の隅に浮かぶ。
「ど、どうしたんだ? 和花の家に泊まりに行ったんじゃなかったのか?」
月下に照らされたカレンの美しさに、息をのみながら質問する。
「よく考えたら、サムライマスターとお話の途中だったので、戻ってきたデス」
「話? 何かしてたっけ?」
「はい、俺の勘違いだったら~って、ところで終わってましたデス」
思い出した。避けられたことがショックで忘れていた。
「ぁああ、ゴホン。その話か……」
思い出して恥ずかしくなって、声が上ずってしまう。照れ隠しに咳ばらいをしておいた。
「フフ、サムライマスター、面白いデス。それで、勘違いって何デス?」
俺に近づいてきて、ベッドに腰かけた俺に目線を合わせてくる。
「そのな――もしかして、お前って俺が好きなのか?」
その言葉にカレンは目を見開いて、口を手で覆う。
もう、元のようには戻れないかもしれない。でも、後悔はない。
一歩を踏み出すことに決めたから……
「はい、好きデス。iioveyouデス」
カレンは花が咲いたような笑顔で、そう言ってくれた。
「悪い、カレン――」
俺はベッドの上で土下座する。
「why、どうしたですか? サムライマスター」
「俺は今、誰とも付き合わないって決めてるんだ……正直言って、困る」
俺は頭を下げたまま、不思議そうに声を出すカレンに、そう言葉を続けた。
「理由はわかりませんが、謝る必要ないデスよ」
「え? どういう事だ?」
俺は顔を上げて、そうカレンに聞く。
「だって、私がサムライマスターを好きになるのは自由で、それにサムライマスターがこたえるかも、自由なのデス――」
その言葉にハッとする。
確かにそうだ。これは現実で、選択を選ばないというのも選択と言えるだろう。答える答えないは別問題だ。
「だから何時か、サムライマスターから付き合ってくださいって、言わせてみせるデス」
カレンは笑顔でそう言い切ってくれる。カレンは俺の事をそこまで本気で、好きでい続けてくれたのか……
「カレン、ありがとう。今更だけど言わせてくれ」
「?」
カレンはキョトンとした顔で、首をかしげる。
「お帰り」
「フフ、ただいまデス」
お互い可笑しくなってしまって、笑い合う。
俺は決めた、カレンとの出会いを思い出すことを。
これは自己満足のケジメだが、どうしてダサかった頃の俺をここまで好きなのかが、気になるってのもある。
「じゃ、そろそろ寝るな」
「はい、寝ましょう」
当然のように、俺のベットに潜ってきた。
「こら、こら。自分の部屋で寝ろ!」
「え~、今日くらいはいいじゃないデスか」
カレンが掛布団を掴んで、頬を膨らます。
今日くらいって、どういう事だよ。
「和花に見られたらどうするんだ」
「あ~、私がいるのにまた、和花の話デス。良くないデスよ、他の女の話は」
「何だよ! その含みのあるような言い方は」
俺は全力で、ツッコミをいれる。
もう、戻らないと思ったが、普通に話していて楽しくなっていく。
「へ~、私が寝てる間に、樹君とお楽しみだったのかな?」
突如部屋に響いた、重い声に肝を冷やす。
「和花……」
いつのまにか、部屋の入口に和花が立っていた。
「カレンちゃんがいないな~って、思ってここに来たんだけど……何してたのかな」
何でだろ? すごく怒ってる?
「別に、寝込みを襲われただけだが……」
「……」
先ほどからカレンが声を出さないので、視線を向けると姿がなかった。
逃げやがったな。
「樹君」
「は、はい」
「正座して」
俺は言われるまま、ベットの上で正座をし、姿勢を正す。
「これでよろしいでしょうか?」
「うん。じゃ、お話ししようね?」
怖い笑顔のまま俺の前まで来て、腕を組んで和花の説教が始まる。
それから和花の怒りが静まるまで、正座で「はい、すみません」と言い続けていたのだった。
さて、予告通りラブしどうです。
私の書くラブコメはこんな感じでも……にはなりません(笑)ネタバレ防止。でもここから、ヒロインが動き、樹が動き、そして――読者様がどう思ってくださっているか不安ですが(笑)ラブコメにふさわしい?終わり方になる予定ですので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
少し短めになりましたが、書きたいことは出し切れたかなって、告白パート1はこんな感じですね。
さて、コメント、いいねは励みになります。ぜひお願いしますです。それでは次回お会いしましょうです~




