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深夜のお茶会? 俺の精神を侵食

目を覚ました樹はカレンとお茶会を開き、出会いの日の事を聴こうとする。

「そう、あれは私が転校してきて三日目の日だったデス――」


「樹君、起きたの?」


 カレンが話し出すと同時にリビングのドアが開き、和花が部屋に入ってきた。


「お、おう。和花……」


 どういえばいいのか、言葉に詰まってしまう。


 和花の目の周りが赤くなっていて、泣いていたことが分かったからだ。


「良かった……わ、私、ごめん――ごめんなさい」


 和花は俺のもとに駆け寄ってきて、ソファーに座る俺に抱きついてきた。


 そのまま俺の胸に顔を埋めて、和花は泣き始める。


「お、おい。どうしたんだ?」


 助けを求めるようにカレンの方を見ると、頬を膨らめせてそっぽを向かれてしまう。


「ぐす、ぐず……」


「フーンだデス」


 この状況、どうなっているんだ? 


 分からない、どうする? 


「ど、どうしたんだ? 怖い夢でも見たのか?」


「ふぇ? ち、違うよ! 覚えてないの?」


 和花が目線を上げて、顔を赤らめてそう聞いてきた。


「悪い、俺もついさっき、目を覚ましたところでな。帰ってからの記憶がないんだ」


「そうなんだ……そのごめんね。後、無理に思い出さないでね?」


 俺から離れてそう言った和花の笑顔は、どこか怖く感じる。


「お、おう。任せろ」


「樹君、どうしたの?」


 立ち上がった俺に、和花が不思議そうに聞いてきた。


「和花も少しお茶にしないか? カレンと飲んでたんだ」


「え、あ。カレンちゃん、ごめんね。邪魔しちゃったかな?」


 どうやら慌てていて、カレンに気が付いてなかったようだ。


 邪魔ってどういう事だろう?


「いえ、大丈夫デスよ。それより、部活といきましょうデス」


 カレンは頬を膨らますのをやめて、立ち上がり、手を上げてそう宣言する。


 カレンの言う部活とは、日本文化を知るというよく分からん部活の事だ。


「部活? こんな時間に何をするっていうんだ?」


「それはもちろん……」


 ・・・・・・・・・・


「ひゃぁ、らめっ……」


「さ、サムライマスター。わ、私もう……」


 二人が俺を抱きついて、そう耳元で声を出す。


「ちょ、そんなに抱きついたら……」


 右からは程よい柔らかさのふくらみが、左には腕がつつまれるサイズのマシュマロのような弾力のふくらみが俺の腕を襲ってくる。


 俺は腕に力を入れて、こぼれそうになったものをこぼれないようにしながら、二人に注意した。


「りゃって、まだ、いかないの? 樹君」


「しょっ、しょうデス。こんなの、耐えられないデス」


 カレンから提案してきたことなのに、もう根を上げたようだ。


 仕方ないので少し速度を早くする。


「ほら、もう終わるぞ」


「カレンちゃん、どう?」


「ふぇ、え~っと。終わって――にゃーーーーー!」


 和花に言われて、ちらりと‘テレビ’を見たであろうカレンが悲鳴を上げた。


 ちょうどテレビには血まみれの女性の顔が映っている。


 カレンが日本のホラーを見ましょうと提案してきたので、リビングに置いてあるDVD中からホラーを探して、三人で見ているのだ。


 因みにこのDVDは冴子さんの私物を借りている。


 中々に怖い、スプラッター系のホラーだ。


「痛い、痛い。そんなに腕を掴むな」


「だって、こんなの恐すぎデス。ジャパニーズホラー、恐るべしデス」


 カレンが体を震わせながら、そう声を出す。


「これは少し違う気がするような……」


「そうだな。日本のホラーといえば、怪談とかだよな」


 和花の言葉に同意して、そう補足した。


「そうなのデスね。と、とりあえず、ギブアップよろしいでしょうかデス」


 カレンがいつになく、弱気な発言をする。


「いやいや、今やめたら、呪われるかもしれないぞ?」


「ちょっと、いつ――」


 止めようとした和花の口を、振りほどいた手で押さえた。


 何時も俺をからかってくるんだ、たまにはやり返さなくては。


「うぅ、呪われるのは嫌デス」


 カレンは俺の腕にしがみつきながら、何とかテレビを見ていた。


 その姿に罪悪感が、わいてくる。


「ぷはぁ、もう、樹君。そういうの良くないよ?」


 手を振りほどいて、和花が小声で注意してきた。


「すまん、少し仕返しをしたかったんだが……」


 カレンの様子を見て、自責の念につぶされそうになる。


「うぅ、さ、サムライマスター。和花と何を話してるデス? 私もまぜるデス」


「いや、すまん。呪われるっていうのは、嘘なんだ」


「ふぇ? 本当ですか? 呪われないデス?」


 キョトンとした表情でそう聞いてきた。


「ああ、本当だ」


「良かったデス。それでは、止めますデス」


 カレンは嬉々として、リモコンをいじる。


 何度も停止を押すも、画面は変わらない。


「電池切れかな? ひゃ、私も、もう見れないかも……」


 テレビでは、裸にされた女性がチェーンソーを持った男に襲われている。


「ちょっと貸してみろ。うーん、音量は変えれるんだけどな」


 何故か停止ボタンだけが動かない。


「の、呪いデス」


「いやいや、そんなはずないだろう。明かりつけるぞ」


 俺はそう言って、二人に腕を話してもらって、雰囲気づくりのために消していた部屋の明かりをつける。


 テーブルに置いていたDVDのパッケージを裏返して、説明に目を通す。


 このDVDは最後まで見ないと呪われます。そのため、途中で消えない仕様になっています。間違っても電源は消さないでください。


 何だと……


「そうデス。電源を落とせばいいのデス」


 カレンがプレーヤーの電源に手を伸ばす。


「ちょっと、待て」


 その手を掴む。


「どうしたデス?」


「消したら呪われるそうだ」


「もう、樹君。怒るよ!」


 俺の言葉に和花が少し怒った声を出す。


「いやマジだって、そう書いてんだよ」


 慌てて、パッケージを手渡す。


「本当に書いてある……」


「本当デス……」


 和花とカレンが説明を見て、黙ってしまう。


「音量を消して、他の事をしておけばいいんじゃないか?」


 二人の様子に俺は、そう提案する。


「でも、ちゃんと見ないと、呪われるかもしれないデス」


「そうだよ。三人で頑張って見よ?」


 二人はこぶしを握って、決意を固めたようだ。


 それから一時間、映画が終わるまで間、左右から襲い来る感触に俺は無心を貫いたのだった。







すみません。サムライマスター誕生の話はまたに持ち越しになりました。ここで書くにはいろいろ不味いと判断いたしました。まだ続くので(笑)もちろん中盤には遅くても書くことになるので、お待ちいただければ幸いです。

この物語のヒロインは二人、私の書きたい恋愛をはしらせたいと思っていますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。ブックマーク、感想は励みになりますので、いただけると嬉しいです。

それではまた次回お会いしましょう

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