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夜中のティータイム 俺の平穏を侵食するアイツ

お待たせしましたです。 コンビニから帰った樹は、洗面所で気を失って

「う、うん~。あれ? ここは……」


 俺は目を開けて、視線をさまよわせる。


 リビングのソファーの上か、にしてもなんか柔らかい感触が……


 枕よりも弾力があり、ほのかに花のような香りが漂っている。


「あ、サムライマスター。目を覚ましましたね?」


 頭上からカレンの声がして、横向きから仰向きになった。


「カレン? 俺はどうして……」


 確かコンビニから帰宅して……


「ひゃう、くすぐったいデス」


 その声にドキッとして、思考が止まる。


「悪い、今、起き上がるから」


 俺はそう言って、体を起こす。


 その際に何故か頭が痛んだ。


「無事に目が覚めて良かったデス」


 カレンは嬉しそうな顔で、抱きついてくる。


「ちょっ、どうしたんだいきなり」


 ソファーの上では逃げ場もなく、タックルのような勢いを胸で受け止めた。


「覚えていないのデスか?」


「ああ。コンビニから、戻ったところまでは覚えているんだがな」


 思い出そうとすると頭が痛む。


「そうデスか、そうデスか。なら良いのデス」


 カレンはほっとした声でそう言って、俺から離れてソファーから降りて立ち上がる。


「どういう事だ?」


「何でもないでデスよ? うんうん、深淵は覗くべきではないのデス」


 怪し。でも、思い出すと俺は死ぬような気が何故かするし……


「そうか……今、何時だ?」


 話題を変えるためにそう聞く。


「えっと、夜中の12時半デス」


「もうそんな時間か、ずっと起きて待っていたのか?」


「はい、心配でしたので」


「膝枕でか?」


「はい、寝顔が可愛かったデス」


 ニコニコとそう言われて、少し照れてしまう。


「そ、そうか」


「フフ、照れてしまいました?」


 俺の反応にニヤニヤとした目で、口元を手で隠しながらにじり寄ってくる。


「な、バカ言うな! 照れるわけないだろ」


「慌ててる姿も、可愛いデス」


 くそ、何をいってもダメそうだ。


 こうなったら、もう、相手にしない。


 俺はカレンから顔をそらして、そのとき目にはいったテレビのリモコンを使って、テレビをつける。


 テレビの画面には、お笑い芸人が変顔をしている姿が映っていた。


「ふふ、私も横で観るデス」


 カレンはわざわざ俺の横にピッタリとあたる近さで座ってくる。


「暑苦しいぞ」


 そう言って、少し離れる。


「私は、平気デスけどね~」


 本当に調子を狂わせてくるやつだな。


 ニュースに変えるか……


 テレビをザッピングしていき、報道番組をつける。


「なぁ、なにがそんなに楽しいんだ?」


 ニュースになっても、ニコニコとテレビを観ながら座っている、カレンにそう聞く。


「サムライマスターが、そばにいるからデス」


 く、照れるなよ俺。


 カレンはわざっと俺を照れさせようと冗談でいっているに違いない。


 平常心だ、平常心でいるんだ。


 そうだ、何でサムライマスターと呼ぶのか聞いてみるか。


 カレンがこの家に来てから聞こうと思っても聞けてないし、雑談にはちょうど良いな。


「お茶淹れてくるから、少し話さないか?」


「勿論、ウェルカムデス」


 俺は一度立ち上がり、ティーバッグの紅茶をマグカップに入れて、電機ケトルのスイッチをいれる。


「カレン。ビスケットとポテチならどっち食べる?」


 テーブルに置かれていたコンビニの袋から、お菓子を取り出しながら聞く。


 関沢さんのせいでアイスを買い損ねたが、溶けていた可能性もあるし逆に良かったかもしれない。


「ウ~ン、ビスケットをいただきますデス」


「よし、分かった」


 俺はビスケットとマグカップをソファーの前に置いてあるサイドテーブルに置き、ケトルのお湯をマグカップにそそぐ。


「ありがとうございます。サムライマスター」


 カレンはニコニコとビスケットの箱を開け、一つ取り度して噛る。


 すぐに幸せそうな顔を見せてくれた。


「紅茶は好きなタイミングで取り出せよ?」


「了解デス。あれ、どこに置けば良いです?」


 カレンが不思議そうに、そう聞いて聞くる。


「俺のマグカップにいれてくれ。三回は使えるからな」


「サムライマスター、エコロジ、貧乏デス」 


「うっせぇわ! もったいないお化けが出るんだよ」


 お化けのように手をヒラヒラさせて、そう言う。


「ふふ、サムライマスター可愛いデス」


 また、いゎれったー。


 くそ、そうだ。聞くことがあったんだ。


「そろそろ本題に入りたいんだが、いいか?」 


「可愛いサムライマスター、顔を引くつかせて、どうしたデス? おかしな感じデスよ」


 こいつ、遊んでやがる。


 いや、落ち着け神藤樹。ここは、流れに乗らず一方的に話すんだ。


 そうすれば、ペースをものにできるはず。


「どうして俺を、サムライマスターって呼ぶんだ?」


「そうきましたか……デス。前に言ったはずデスが、サムライマスターが言ったんデスよ」


 あきらめたような気配の後、ため息交じりにそう言ってくる。


 殴ってもいいよね?


「そのことを覚えていないんだ。その当時の事を教えてくれないか?」


 なんとか堪えて、優しい笑みを浮かべて聞く。


「サムライマスター、気持ち悪いデス」


「だーっ、答えろ! この家に居たいならな!」


 雄たけびを上げて立ち上がり、カレンを指さしてそう命令する。


「サムライマスター、横暴デスね……仕方ないデス。では、話ましょう」


 観念した様子のカレンを見て、再びソファーに座り直す。


 自分がなぜ、そう呼ばれるのかがやっと思い出せそうだ。









本当にお待たせしましたです。メンタルが……言い訳は、なしですね。


さて、次回は過去の話をいれつつアリスの魅力を出していきたいと思っています。


どうしてサムライマスターなのか、どうして主人公の通う学校と被ったのか……アリスの秘密と主人公の過去が明かされる!? 次回も読んでもらえたら嬉しいです。


それではまたお会いしましょう。コメント、いいね、ブックマークお待ちしてます(笑)なんか、ゆうちゅうぶみたいです

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