初お泊り? 浸食は加速する
さて、お泊り開始です
どうして、こうなったんだろう。
俺は今、自室で宿題をやっているのだが、落ち着かないでいた。
カレンが住むことによって、落ち着かない三日間を過ごしようやくなれてきた今、和花が泊まることになったのだ。
和花はいったん着替えをとりに家に戻っているが、その間部屋からでることを禁止された。
全て、カレンのせいだ。
和花のあの笑みは、かなり怒っていたように思える。
何か打開策を……
そこで俺は、冷凍庫にアイスをいれていたことを思い出した。
よし、あれで機嫌を取ろう。
そこまで決めたところで少し気持ちが落ち着いたので、宿題に向き合う事にした。
・・・・・・・・・・・・
コンコン。
宿題を終えて一息着いた頃、部屋にノックの音が響く。
「どうぞ 開いてるぞ」
「お邪魔するね?」
「やっぱり、和花か どうしたんだ?」
振り向いた先にいた和花に、そう声をかける。
「やっぱり? どうして分かったの?」
和花は不思議そうな顔で、そう聞いてきた。
「カレンはノックを、しないからな」
「え? いいのそれで?」
「いや、困ってはいるな」
着替えてる時とかなら、困ったことになるしな。
「樹君もノックしないの?」
「いやいや、するぞ!?」
俺のイメージはどうなっているんだ?
「そ、そうなんだ。良かった」
胸に手を当てて、安心した顔になる。
「で、なんのようなんだ?」
「えっと、今からお風呂にはいるから、脱衣所には来ないでね?」
「俺って、そんなに信用ないのか?」
スッポンの時といい、悲しくなってきた。
「そんなことないよ! ただ、カレンちゃんが、ラッキースケベ? を防がなくてはって、言ってたから」
またあいつは……
「ないない、漫画じゃないんだし。行かないよ」
「だよね。じゃぁ、また後で……」
和花はそう言って、部屋を出ていく。
さて、冷凍庫のアイスを確認しておくか。
風呂上がりのアイスは、最高だしな。
そう考えて、リビングへと向かう。
「あれ? アイスがない」
冷凍庫の中を確認するも、お目当てのアイスが見当たらなかった。
(カレンが食べたのか? 仕方ない、買いに行くか)
ため息をつきながら部屋に戻り、部屋着の上からダウンジャケットを羽織って外に出る。
四月とはいえ、夜はまだ息が白くなる冷え込みだ。
コンビニまで、小走りで移動する。
・・・・・・・・・・・・
「らっしゃせー」
コンビニの中にはいると、髪を明るく染めた男性店員がそう声を出して、出迎えてくれた。
さて、アイスいがいに買うものってあったかな?
そう思いながら、店の中を左からまわっていく。
明日は土曜日で、学校も休み。もしかしたらカレンはそれを分かったうえで、和花を泊める口実に俺の話をしたのか? それにしても、ひどい濡れ衣だが……
適当に二人が喜びそうなお菓子をいれながら進む。
「あれ? 旦那じゃん。買い物? うわぁ、そんなにお菓子買うんだ」
アイスコーナに差し掛かったところで、店の制服を着た関沢さんと鉢合わせした。
「え? 関沢さん、バイトしてたのか?」
「うん、そうだよ。品出し中」
「偉いな……っと仕事中に話すのは良くないな。すまん」
俺はそう言って、頭を下げる。
「アハハ! 大丈夫だよ少しくらい。それで、夜食をあさりに来たの?」
俺の持っているカゴ
ニヤニヤした顔で、そう聞いてくる。
「ああ、来てるぞ。だからこれは3人分のおやつだな」
「へ~、こんな晩くにね~」
そう言われて、店内の壁にかけてある時計に目を向けた。
22時半か、まあ常識の範囲だろ。
「そろそろ帰らないとな。じゃな、また学校で」
これ以上何かを聞かれる前に、離脱すことにした。
和花が泊まっているなんて、知られてはどうなることやら。
「あ、避妊はしなよ。ほらこれ」
そう言って、男性用のあれをかごに放り込んでくる。
「いるか!」
それを突き返す。
「わぁ、無責任はダメだぞ?」
「変な想像するな! じゃあな」
俺は足早にレジに行き、会計を済まして、店を後にした。
・・・・・・・・・・・・
「ただいま~」
そう声を出しながら、玄関に上がる。
「きゃぁー!」
脱衣所で、和花の悲鳴が上がった。
「おい、大丈夫か?」
ドア越しに声をかける。
「……」
返事がない……まさか、足を滑らせてこけたとか?
「開けるぞ」
そう断りをいれながら、ドアを開く。
「え?」
「わぁーお、サムライマスターが、のり込んできたデス」
ドアの先には、風呂場から這い蹲って出てこようとする和花の胸を掴むカレンの姿があった。
「え、えーっと」
予想外の光景に、脳がフリーズしてしまう。
「樹君のスケベーーー!!!」
和花の絶叫とともに、買い置きの洗剤のボトルが飛んでくる。
「あべしっ」
それをまともに頭に食らい、後ろに倒れた。
「因果応報デス」
それは少し、意味が違うんじゃないか?
俺はそう声を出そうと思いながらも、声を出せないまま意識が遠のいていった。
書いたぞい。書けたぞい(笑)
ネタはある、時間はない、止まらぬ眠気、目覚めよ意欲。止まらぬ離脱者、増える屍、怒られる残業、止まらぬ発注。これが狸の日常yo~さて、ラップをきざんでる場合ではないですね(笑)
キャラ紹介といきたいのですが、ネタバレになりかねないので今は封印中です。近いうちにできるよう頑張ります。
今回は色々あって、更新不定期ですが最後まで読んでもらえると嬉しいです。それでは次回もここで待ってます。きっと読みに来てくださいね?




