ミワクはハスハを追い出してご満悦
ミワクはハスハを追い出して機嫌がいい。
邪魔な混ざり者を都合よく追い出せた。
しかも鬼殺しと交渉してここの被害は無し。
無能のハスハも役に立ったわね。
いや、私がハスハを差し出したおかげで鬼殺しの被害は無かった。
私の判断のおかげ。
邪魔者は居なくなった。
出来損ないの居ない今、この村はさらに発展する!
ミワクは現場の観察を一切しなかった。
子育てや農地などの現場に来て怒鳴る事はあっても、一切作業の働きぶりをチェックせず、ただ怒鳴って仕事をさせるのが役目だと思っている。
ミワクは鬼族の男性の前では甘い声で誘惑し、抱き着き、男性を魅了し、男性が居なくなった瞬間に人格が豹変するように他の女性をいじめる。
今まではいじめのターゲットがハスハに向いていたが、ハスハが居なくなると他の鬼族の女性をいじめ始めた。
元々女性に嫌われていたミワクは他の女性から更に嫌われる。
更に他の女性が楽しそうに男性と会話するのが許せず、その女性も徹底的にいじめた。
ハスハが居なくなることで、農業の食料生産は止まり、子供の世話をする女性も不足したが、ミワクはただ苦労を強いて解決しようとした。
鬼族の幹部であるミワクは多くの部下を抱えていたが、女性の鬼族が少しずつ他の幹部の元へと流れだしていた。
ミワクはその事に気づいていない。
ハスハの友であるイトナは、ミワクのいじめのターゲットにされていた。
「イトナ、いつまで子供の世話にかかっているの!早く終わらせるのだわ!」
「すいません。頑張って仕事をします」
「頑張れとかそういう事を言ってるんじゃないのよ!早く仕事をしろって言っているのだわ!」
ミワクはハスハが居なくなった穴をイトナに押し付け、ただ「早くしろ」という発言を繰り返す。
仕組みを一切変えず、責任を押し付けるように下の者を怒鳴って仕事をさせる。
「……はい」
「まったく、のろまの管理をする私の苦労を分かってもらいたいものだわよ!」
ミワクは裏で脅して仕事をさせると、座敷に男性を呼び込む。
ミワクは座敷に男性をはべらせ、酒と料理で贅沢をしつつ過ごす。
「あ~ん、意地悪だわ~」
男性に甘えるミワクの声は怒鳴って女性をいじめる時の声とは豹変し、それを知る女性が見たら気色の悪ささえ覚える。
ミワクは【魅了】のスキルを持っていた。
この力で鬼族の男性を魅了する事で男性を味方につけ、反抗する者を倒し、今の幹部の地位を手に入れたのだ。
だがそのやり方にひびが入り始める。
ミワクは気づいていない。
自身の派閥の鬼族が減っている事。
ハスハが支えていた仕事の多さ。
野菜の生産が止まっている事実。
ミワクは後になって事実を知り大きなしっぺ返しを食らう事になる。
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