表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/11

奇形の混ざり者は村を追い出された

2~3万文字程度の短い作品を3作品同時投稿しました。


●1作品目  奇形の鬼娘と言われ鬼からも人からも冷たくされましたが、魔装の錬金術師に拾われ、愛され頼られるようになりました。戻ってこいと脅されても幸せすぎてもう戻れません


●2作品目  【焼却炉の魔術師】と呼ばれ、バカにされながらもごみ焼却のバイトをこなしていたら、嫌がらせでバイトを首になり、何故か王子と仲良くなりパーティーに出席する事になった


●3作品目  許嫁に毎日罵倒された挙句婚約破棄されたら、幼馴染の他国の王子が求婚してきた。


他の作品もチェックしてもらえると嬉しいです。

「子供の世話にいつまでかかっているの!混ざり者ののろまが!」


 私はミワクに怒鳴られた。

 ミワクは鬼族で額から2本の立派な角を生やす。

 赤い瞳と赤い髪で長い髪を腰の近くまで伸ばしている。

 ミワクは鬼族の特徴を完全に引き継ぎ、異性からの人気も高い。


 しかも【魅了】のスキルで同族の異性を操り、戦でも活躍する鬼族の幹部でもある。

 魅了の力も合わさり異性からもてはやされる姫のような存在だ。


「すいません。まだしばらくかかります」


 私は100人の鬼族の幼子を1人で世話をしていた。


 私【ハスハ】はミワクと違い、鬼と人の間に生まれた【混ざり者】と言われ、鬼族からも人族からも冷たくされ、奴隷のように生きてきた。

 桃色の髪と瞳の色は、鬼族の赤色や人族の黒色と違い、一目で私が【混ざり者】だと分かる。

 更に額から出る2本の角は、まるでこぶのようで、鬼族からは「奇形」と言われている。


 戦闘民族である鬼族のような戦闘力は無く、更に【混ざり者】で【奇形】の私に居場所なんてないのかもしれない。


 鬼族は戦闘力の無い者は下に見られるのだ。


「ふん、のろまね。さっさと片付けるのだわ」





 ミワクが大部屋から外に出ると、鬼族の男と笑顔で話をしている。


 まるで二重人格だ。


 ミワクは男の前では笑顔で、私の前ではそれこそ鬼のように態度が豹変する。


 100人の幼子を世話する能力は私には無い。


 人手が足りないが、鬼族の女性は子が生まれ、少し経つと私に幼子の世話を押し付ける。





 ミワクが大部屋に戻ってきてまた怒鳴る。


「ハスハ!野菜に成長促進(植物急成長)をかけるのだわ!」


「でも、子供の世話がまだです」


「成長促進を使って戻ってきて世話をするのだわ!今日は終わるまで寝ずに働くのだわ!」


「……はい」




 私は外に出て畑の野菜に【成長促進】の魔術を使う。


 私のスキルは植物魔術。


 野菜などの植物の成長を早くすることが出来る。


 どんなに頑張って成長促進を使っても「少ない」「もっと野菜を作れ!」「戦えないならもっと役に立て」と怒られてばかり。


 交易で人族と話をしたこともあったが「ま、混ざり者!」と言われまるで呪われた者のように扱われた。


 魔力を使い切り、具合が悪くなり、更に幼子や子供の世話、料理に洗濯であまり眠ることが出来ない。


 唯一話せる友は10才の鬼族【イトナ】で、立派な2本の角と、赤い瞳と赤い髪を持つ鬼族だが、スキルが【裁縫術】で弱い為、同じように役立たず扱いされている。


 イトナは皆が着る着物を作り、鬼族に貢献していると思うが、鬼族にとっては戦える者かどうかが大事なのだ。


 戦闘民族である鬼族は、戦えない者への扱いが厳しい。


「ハスハ、服を作り終わったら子供の世話を手伝いますよ」


「ありがとう。でも、そろそろ私はここから追い出されるわ」


「え?どうしてですか?」


「ミワクが私を追い出す話をしていたもの」


「ハスハは、行く当てはあるんですか?」


「無いわ」


「私がミワクと話をしてきます」


「駄目よ!あなたまで追い出されるわ!」


「でも、ハスハが居なくなったらここは回りませんよ」


 この地は後方で子供の世話や農業、衣類の生産などをしている。


 この村は戦い以外の生産を一手に担う場所なのだ。


「私は、鬼と人のハーフで、戦う力も無いから、追い出されて当然よ」


「そんな!」


「さあ、仕事を終わらせましょう」


 私は悲しさを消し去るように無理して笑顔を作り、仕事に戻った。


 その日は結局朝方まで作業に追われ、眠る。





 ◇





「ハスハ!起きるのだわ!」


 私はミワクに布団から引きずり出され、外に連れ出された。





 外には人間の男が立っていた。


 その男に叫ぶようにミワクが言う。

「この奇形の混ざり者を奴隷として差し出すのだわ!」


 私は奴隷として差し出される事となった。


 この事件がハスハの運命を変えていく事をハスハはまだ知らない。





最後までお読み頂きありがとうございます!少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ