閑話 オレが消える日 中編
ええ、やはりと言うか中編になりました。今話全体において胸糞注意です。
苦手な人はいっそ読まないというのもありだと思います。おそらく本編にはそこまで関わってくることはないでしょう。
磔馬が堕ちるのは次話以降になるので、ストレスためたくない人は次話を読むことをお勧めします。
メイドと女の話をした後、数日しないうちに行動を始めた。
オレは早くヤりたかったし、城も裏切り者をすぐに排除できるわけだから、良いことずくめだろうから誰も文句はねえだろう。
決行は夜。通山付きのメイドが一人で歩いているところを、後ろから口を塞いで人気のない場所まで連れていった。
この場所はオレ付きのメイドに教えてもらった。
こうやって無理矢理犯すのは、征服感があって興奮が増す。
騒がれては面倒なので、手を離した後は一発殴り、喋らないように脅したうえで口に布を噛ませた。
そこからは、それはもうやりたいようにヤリまくった。
◇
気が付いたら通山付きのメイドが死んでいた。
いや、オレが殺したのか。
存分に犯した後、今度は妙に目の前の女を殴りたくなった。
とにかく気持ちが高ぶっていた。
だから加減を間違えた。
この世界にきて力が強くなって、女を攫うのは簡単だったが、思いっきり殴れなくなったのはいただけない。本気で殴ると、弱い奴は簡単に死ぬ。そう考えると、通山は思ったよりも頑張っていたのかもな。
まあこのメイドは、もともと殺されるはずだったのだ。
別にオレが殺しても問題は無いだろう。一回殺ってみたかったことではあるし。
あとは城の奴らが勝手に処理してくれるだろうから、オレは満足したまま部屋に戻ることにした。
一応メイドには顛末を伝えておくか。
◇
次の日、通山付きのメイドの死体が見つかったと、大騒ぎになっていた。
元凶はオレだが、誰一人オレを疑うことはなく、不満が通山に向いているのがかなり滑稽だ。
あの市成が率先して通山の胸ぐらをつかんでいる様子なんか、笑いをこらえるのが大変なほどだ。
通山は否定しているが、誰も通山の話を信じようともしない。
普段の行いが悪かったわけだから、自業自得ってやつだ。
雑魚なら雑魚らしく、最初からおとなしくしておけばこんなことにはならなかった。
結局、市成と通山で決闘をすることになったらしいので、良いものが見られそうだと訓練場まで着いて行くことにした。
◇
最っ高の見世物だった。
オレが直接殺せなかったのは心残りだが、やっぱり雑魚は死んでいい。
最後の最後まで強がりながらも、胸を刺されて叫び出した時なんか、思わず煽ってしまうほどだった。
それにあの市成が屑とは言えクラスメイトを殺したって言うのも、最高に面白い。
昔、公開処刑は娯楽だったって話を聞いたことがあるが、これは確かに見ごたえがある最高のショーだ。
下手な演劇なんかより、ずっと面白い。
今回にしてみれば、オレが関わっていたってことも、気分を高ぶらせてくれたわけだが……。
何にしても通山には感謝しても仕切れねえな。
女を犯した罪をかぶってくれた上に、最後の最後に最高の見世物になってくれたんだから。
これだけ高ぶったのに、しばらくは女が抱けないって言うのはまたきついが、機会があればまたヤらせてくれるだろう。
この城はきれいなだけじゃねえみたいだからな。
◇
公開処刑が終わった日の夜、オレ付きのメイドが指輪をオレに渡してきた。
こういうものの価値は分からねえが、なんか妙に高そうな指輪ではある。
「なんだこれ?」
「勇者様方の身分を証明する指輪でございます。
城の外に出る時にはこの指輪を嵌めていただくことで、城の外において通常では入れないような場所にも入れるようになるそうです」
「つまり城から出られるんだな?」
「近いうちにはそうできるように取り計らう予定です。
ですから、もうしばらくお待ちいただけると幸いです」
高そうに見えたのも当然ってわけか。
何せ世界を救う勇者様のために用意された指輪みたいだからな。
これを嵌めていれば、町に行ったときに好き勝手出来るのだろう。
だが、1つ気に食わねえ。
「なんで今渡した?」
「本来であれば、早くにでも勇者様方にお渡しする予定でした。
ですが1つ懸念点がございまして、この度無事に懸念が解消しましたのでお渡しする手はずとなりました」
「ああ、通山な。確かにアイツに渡したら、何しでかすかわかんねえな。
つまりオレのお陰ってわけだ」
「はい、キョウスケ様には感謝の念が尽きません。
状況が状況でしたので表立ってお礼をするわけには参りませんが、せめてもと早めにこの指輪をお持ちいたしました」
ちゃんと礼くらいしろと言いたいが、オレも良い思いをしたわけだし、お貴族様がいろいろと面倒くさいことは知っている。
これで借りを作れたと考えられるし、許してやるか。
「で、この指輪でかくないか?」
「魔法によって自動的に大きさが調整されますので、ご安心ください」
魔法って言うのは何でもありだな。
服なんかも着た人間に合わせられたりするのだろうか。
とりあえず、そういうことなら嵌めてみるか。
「へえ、ちゃんと大きさ変わんだな」
「お似合いですよ。その指輪は水にぬれても大丈夫なものになりますから、なくさないように常に嵌めておくといいでしょう」
「ふーん。便利なもんだな。それで、これを嵌めて城から出られるのはいつになるんだ?」
「勇者様方を民に紹介した後になります。盛大に行いますので、楽しみにしておいてくださいませ」
正直勇者とか世界を守るなんて言うのは柄じゃない。市成あたりにやらせておけばいいと思うのだが、盛大にやってくれるならやぶさかでもない。
知らないやつらが、オレ達に称賛を送ってくれるわけだ。きっと気分が良いに違いない。
何ならそこで、女を物色しても良いかもしれないな。
何せこちとら、世界を守る勇者様だ。むしろ向こうから寄ってくるまであるかもしれない。
何人食えるかやってみるのも良いかもしれねえな。
そう、この時は思っていた。





