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「魔法の檻の鍵 ランク:SSS」

詳細:魔法の檻を開ける鍵。檻にコツンとぶつけて使う。

   この世界には存在しない魔法技術の結晶。


 黒い球を鑑定したらこんな結果が出た。

 なんか「この世界に存在しない魔法技術の結晶」多くない?

 存在しないはずなのに、存在しすぎでない?


 昔の勇者さん、この世界に干渉しすぎじゃない?


 いや、今の世界の構造自体がその勇者が作り上げたものか。

 干渉しているとかいうレベルじゃないな?

 異世界転生や異世界転移でどこまで世界に干渉するのかと言うのは、1つの議題になり得ると思うのだけれど、リアル勇者は自重なしだったらしい。


 そして干渉する場合には、やはり文明のレベルを考えてやっていかないといけないなと言うのが、この世界の例だと言える。

 うん。そういう意味では、とても有意義な世界なのかもしれない。


 ただし、精霊を捕まえた勇者もちゃんと意味があって捕まえたのかもしれない。

 勇者が召喚された時点で、世界が危ないってこともあっただろうし。

 何かやむにやまれず捕まえるしかなかった可能性もある。


 そもそも数千年も前の話だし、そんな先のことを考えて行動できるかと言われたらNOだろう。

 地球だと紀元前とかになるわけだ。

 紀元前の人が今の人々の事を考えて行動していたら怖い。今の人が数千年先の人のために何かをするというのも怖い。


 ただ、結果としてこの世界にはない魔法を使い、本来捕まえられることのない精霊を捕まえてしまった。

 そしてこの世界の人たちは、その不安定というか、他人に用意されたシステムを使って快適に生活を始めたわけだ。

 壊れたら直せないのに。ろくに仕組みを理解していないのに。


 もしかしたらかつての勇者も、時期が来たら精霊を解き放つように指示していたのかもしれない。

 そのシステムだけを享受し、世界を顧みなかったこの世界の人と、世界にそぐわない技術を持ち込んだ勇者とどちらが悪いかは僕は分からない。

 神的にみるとこの世界の人が悪いかな。亜神的に見てもやっぱりこの世界の人。


 勇者の目的が見えてないので何とも言えないのが実情かな。


 まあ、鍵についての考察はここまでにしておこう。


「これは貰っていいんですよね?」

「安全な場所を用意してくれればな。ここを出るのであれば、ワシには過ぎたものだ」

「それじゃあ、一応わたしが持っておきます。連れて行った段階で、わたしの物ということで行きましょう」


 適当に袋を作り出して、腰にぶら下げる。

 球体は僕でも片手で持てるくらいなので、そこまで邪魔にはならない。

 邪魔にならないで思い出したけれど、そう言えば僕の見た目だと片手では持てなさそうなものを背負っているんだった。


「さっそく連れて行きたいんですけど、ここって荷物を置いておいても大丈夫ですか?」

「いつ戻ってくるかによるな。今日はもう誰も来ることはないだろうが、明日の昼までには誰かやってくる」

「それじゃあ、これは置いていきますね」


 今日中に戻ってこられるだろうと踏んで獣人のリーダーの首を牢屋に入れておく。

 首を持ち運ぶのは何というか、気分的によろしくない。

 SAN値が減るなんてことはないけれど、普通に趣味が悪い。


 入れている袋が僕が作った特別製で、中身が腐りにくく臭いを外に漏らさないだけ、普通に持ち歩くよりはましかもしれないけれど、それはそれこれはこれ。

 前王が気になったのか「それは?」と尋ねてきたので、「首です」と返しておいた。


 それだけで何かを悟ったのか、それ以上は聞かれなかった。

 それでは、無人島まで行きましょうか。





 見た目14歳くらいの女の子が、おじいちゃんを背負って走る姿は傍目かなりシュールに映ったんじゃなかろうか。


『フィーニス様の走りが誰かの目に付くことってないんじゃないですか?』

「それはそうなんですけどね。加減はしましたけど、目で追えるだけでもかなりの達人だと思います」

『じゃあ、背中の人は達人じゃなかったんですね』

「今回の場合達人とかどうとかじゃない気がしますけどね。まあ、寝ていてくれるなら、楽でいいです。ちゃんと約束の場所には連れてきましたし」


 家もあるし、ついでなのでバリアもはっておいた。

 食べ物も数日分は採集して、保存庫においてある。

 いつ目が覚めるかはわからないけれど、書置きを残して僕たちはおさらばしてしまおう。





 前王様を無人島に届けるイベントが終わり、ようやく本題に入れる。

 牢屋に入れておいた首を回収して、今度は現王に会いに行く……と言いたいけれど、それは明日で良いか。

 一旦精霊の樹から出て、正面から入りなおそう。


 僕が帰ってきたと国王に伝えることもできるし、何より1室与えられるから。

 別に部屋がなかろうと、何なら森の中だろうとそこそこ快適に過ごせる自信はあるけれど、元日本人としての感覚なのか自分の部屋が一番落ち着く。


 今回は自分の部屋というわけでもないけど。


 明日でウィリディスでやることは終わるわけだけれど、次はどこに行こうか。

 フラーウスが光、ニゲルが闇、ウィリディスが風。

 ニゲルは勇者達にある程度までは任せるとして、後は水と火と土。

 なんだかとても嫌な予感がするのだけれど。


 光の精霊は光が当たるように工夫された場所にいた。

 風の精霊は精霊の樹の高いところ。おそらく風が良く入るところにいる。

 では火は? 火の中にあるとでもいうのだろうか。


 水が水中とかはありそうだ。

4~5話で終わる短い作品も投稿したので、興味があればどうぞ。

異世界転生憑依悪役令嬢婚約破棄物です。

https://ncode.syosetu.com/n1281fm/

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本作が「第一回スターダストノベル大賞」で優秀賞を受賞し電子書籍化が決定しました。
最終第5巻が2023年9月7日より配信開始です。
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― 新着の感想 ―
[一言] >>寝ていてくれるなら それは、気絶してたんではなかろうか……w
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