プロローグ 彼の終わり
チョッパやで書きました。
誤字脱字諸々はあるものとして、見ていただけると助かります。
転移→転生する話ですが、転生するまでの話はダーク成分が多分に含まれます。ご注意ください。
胸を貫く剣。やり遂げたと言わんばかりに嬉しそうな、クラスメイトの顔。
いずれこうなるような気はしていた。
頭が良いわけでもない、能力が高いわけでもない。一般人に毛が生えたような力しか得られなかった自分が、一国が行う謀に対抗できるはずもなかったのだ。
だから覚悟はしていた。でも、心臓に剣を突き刺される痛みは、覚悟していても耐えられるものではない。
痛いと叫ぶたびに、声にならずに呻くたびに、クラスメイトの多くが笑う。
当然の報いだと、お前のことが気に食わなかったと、いなくなって清々すると。
それらの言葉が心に届かないことで、多少の復讐になるだろうか。
不敵な笑みでも見せれば、見返すことができるだろうか。
だけれど口から出ていく音は、どうしても彼らを喜ばせてしまうらしい。
痛いのだから、苦しいのだから、辛いのだから、怖いのだから、しょうがない。
覚悟はしていても、死ぬというのは怖いのだ。
痛みはとても激しいけれど、死は密かにやってくる。心の奥が冷たくなって、少しずつ自分がなくなっていく。
助けてと叫んでも誰も近寄ってこず、怖いと叫んでも言葉にならない。
薄れゆく意識の中で、最後に見えたのは金髪の美しい女性。
初めて目にしたとき、召喚された全員がその美貌に目を奪われた彼女の顔が、邪悪に歪んだのを確認した時、
――どうしようもなく、消える心が満たされた。
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