シンプルの特典
最近、「ソリティア」にハマっている。ソリティアとは、ひとり遊び用のトランプでできるゲームの総称である。ウィンドウズにデフォルトで内蔵されているゲームとして有名になったものである。特に「クロンダイク」は、クリアできるかどうかは運にも依るのだが、頭もちょっと使う必要のあるゲームで、やり方によっては反射神経も鍛えられるおすすめのゲームである。私なんかはそれを昨日は三十回くらい、およそ三時間はやりつづけた。結果は三回しか成功しなかったが、一度成功するとドーパミンがすごい出る。1から13まで綺麗にそろったときの喜びはひとしおである。
しかしもしルールが少し複雑に感じる人がいれば、「ゴルフ」というゲームがおすすめである。ちょっと頭を使うし、集中力も鍛えられて、なにより、「あと少しでクリアできるのに」という悔しさが「もう一ゲーム!」と駆り立てるのである。これらのゲームは暇つぶしに最適なので、もしよかったら試してみていただきたい。
トランプはシンプルな形式のゆえに、遊び方がたくさんあって奥が深い。多様性の形式はいつだってシンプルなものである。というのも、形式が統一されていなければ、同類としてまとめられることがなく、そもそも多様性という概念が成り立たなくなるからだ。たとえば音楽は基本的にリズム、メロディー、ハーモニーというシンプルな形式で一括りにされて、その同じ形式を共有するうちに多様性が認められる。
だから、トランプにおける遊び方の多様性は、その形式のシンプルさに由来する。1から13の数字と四種類のマーク、二種類の色。このシンプルな形式がトランプを世界的なものたらしめるのである。シンプルさには、多様な発展性と普遍性という特典がつねにつくのである。