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繊細の精神  作者: QWERT
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型にはまりやすい自由

 ボトルに入ったチョコレートを買った。車やデスクの脇に置いておき、好きな時に食べられるようにするタイプのものだ。そのため、一口サイズのチョコがボトルの中に多めに詰まっている。コンビニでほかに並ぶ商品よりもやや高めだが、内容量を考えれば、それも仕方のないことなのだろう。

 しかし、私は基本的に、一回のおやつタイムにつき、ポテチなら一袋、チョコレートなら一箱といったように、一単位を丸々食べてしまう性質である。つまり、ちょっと食べて満足したら保存しておく、という少欲知足の知恵が欠けているのである。だから、このようなボトルタイプのチョコレートも、一度封を開けたら、全部一息に食べてしまわないと気が済まない。それに加えて一口サイズというのが、一つ食べたらもう一つ、とつい手を伸ばしてしまいやすい形なのである。

 その結果、私はそのボトルを一息に食べてしまうだろう、と思われた。ところが、珍しいことに、それは三回に分けて食され、ある程度、本来のコンセプトに適った消費の仕方が実行されることになった。やはり内容量の多さと、蓋を閉めるだけという保存のしやすさが、数回に分けて食すことを私に可能にしたのだろう。

 私が消費の仕方を決めているのか、それともデザインが消費の仕方を決めているのか。おそらくその双方が混ざり合って、消費スタイルは決まってゆくのだろう。つまり、ある程度はデザインが消費スタイルを規定するのであり、私の自由というのは、型にはまりやすいものなのである。

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