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幕間 ~少女~
少女はさざめく波の音の中心にいた。
不思議な心のざわめきがまるで、波の音に顕れているように、波は不規則に揺れる。
少女は手を伸ばす。辺りは真っ暗だ。
伸ばした指の先が見えない。まるで肩から先が消えてしまったみたいに。
やがて少女は怖くなった。
自分がどんどん薄まっていくような感覚に捕らわれた。
喉を枯らさんばかりに叫ぶ。
助けて。ここは何処?誰か来て!
叫び声は闇に呑まれて消えた。
後には、涙の跡だけが白く残っていた。
一、二話で少年と離れてしまった少女は、果てのない暗闇で少年を待ち続けていました。