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3話 世界情勢

またも短め。すみませぬー


「アクアノス?」

「多分だがな、おおよそ勇者召喚となれば、フレイドロンかアクアノスかになるだろうからの。」


「……別の国ってことですか?」

「そうだな。あんの腐れアクアノスが……」


「なんか……仲は悪そうですね。」


 王様の合図で会議室のテーブルに地図が広げられ、その地図を見て、つい眉をしかめる。


「丸?」


 地図で大陸と思わしき物がほぼ円形に描かれていたのだ。


「うむ。ヒデアキ殿の世界とは違うのだろうが、この世界は丸い大地により形作られているのだよ。

 そして我らがフレイドロン王国は上半分。アクアノスが下半分と綺麗に2分割する形で別れているのだ。」


 王様の話は極めて簡単。

 丸い大地は中心を境に環境が大きく変わり『火と大地に恵まれし国』と誇ったフレイドロン王国は、岩や鉱脈の豊かな大地に根ざした民。

 国民は皆なぜか火の魔法を得意とし、大地をうまく利用し生活を営んでいる。


 そしてその反対に位置するのがアクアノス王国。『水と風に恵まれし国』

 豊かな水源と溢れる緑と共に生きる民。国民はなぜか水の魔法を得意とする者が多く、緑をうまく利用して生活を営んでいる。


 綺麗に分割されているせいか、それとも属性が対極と言えるせいなのか微妙に嫌い合っているようで、王様は一々嫌な顔をしながらアクアノスの事を説明してくれた。


 文明の程度はお互い競い合っている事もあり、同程度は発展していて今もなお一進一退の攻防を繰り返している。過去に戦争をした歴史もあるようだが戦争での不利益はお互いにとって宜しくないと何代も前の王達が垣根を越えて話し合い、不可侵とする事で決着がつき戦争以外で競い合う関係となっている。


 召喚のタイミングからして、おおよそリョウはアクアノスの勇者として召喚されたのだろうとの事だった。

 自分自身が無事だったこともあり文明の発展度は同程度であれば、おおよそリョウも無事だろうと胸をなで下ろして再度地図を見て首を捻る。


「じゃあ、その復活した魔王ってのはどこに?」

「うんむ。文献通りであるとすれば……」


 王様は人差し指を上に向ける。


「上?」

「上だな。」


 神官長を交えて魔王の話を聞くと、遥か上空に浮かぶ大地があるといい、その大地に封印されているのが魔王らしい。


 生き証人はおらず伝承を頼りにする程度の情報源しかない為、不確かな情報と前置きはあったが、封印された魔王は目覚めると人間を滅ぼそうとする存在らしく、復活の報せがあった今、いずれ時を見て襲撃があるだろうと。


 そこまで聞いて俺は両手を前に出す。

 もちろん『俺は戦えない』という意思表示だ。

 だが、そんな事をしても見事にはぐらかされ話は続く。


 日本へ帰る術については不明。ほとんどの勇者は魔王を封印した後、この世界に留まって生活したと文献にはあったらしく帰ろうとした。もしくは帰ったというような記述はないらしい。


「で、早速なのだが勇者の能力について確認がしたい。

 オーブは確か勇者殿は『どうて……』エフンっ! 失礼。

 『言語』『成長促進』『メシ』『ぬるぬる』と出ていた。おおよそその能力が対魔王において有効な手になるはずなのだ。」


 場所を移動しながらの言葉。

 連れてこられた先は……大きな台所だった。


「まずは『メシ』を検証しようじゃないか!」


 ニッコニコに微笑む王様と神官長とその他兵士達。

 そして沢山の積まれた食材。


「さぁ! さぁ早く何か作ってみてくれ!」


 ウッキウキを隠さない王様達。

 期待の視線を一身に受け、食材を前にし呆然と立ちすくむのだった。

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