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2話 現状確認

時間が意外と取れませぬ……短めすみません。

でもとりあえず短くても毎日更新を目指してみる!




『ぬるぬるって何?』


 皆がそう思って呆けたのもつかの間、怒りと恥ずかしさでわめいていた俺によって全員が正気に戻り、王が『とりあえず落ち着け』と音頭を取り、場所を変える事になった。


 レンガ作りの部屋を出ると、煌々と照りつける太陽の眩しさに目が眩み、押し寄せる熱気にむせ返る。

 これまでは現実感の無さに白昼夢でも見ているのかと思っていたが、身体に感じられる暑さや刺すような日差しは本物以外には感じられず、どこか冷静さを取り戻す自分がいた。


 後ろを見ると、さっきまでいた所はレンガ作りの祠だったらしい。

 ぐるりと見回せば、祠のすぐ隣に石造りの大きな城があるのが目につく。


 王様が歩きだし、俺も兵士のような恰好をした男に挟まれるようにして王様や神官長の後に続き城の中へと進んで行く。

 城の中を進みながらも、日差しの強さから外が白色にしか見えない先を見ようと目をこらす。

 すると小高い丘の上に城が建っているのか、光の向こうに沢山の景色が見え始める。

 少しの緑、小さな川、その先に広がる城下町らしきレンガや石造りの家屋群。そしてその先に広がる岩や砂。


「どこだ……ここ。」


 日本らしさが微塵も感じられない世界に疎外感と不安を覚え、ただ呟く事しかできなかった。


「良い景色だろう?

 これが余のフレイドロン王国。火と大地に恵まれし国よ。」


 気が付けば、景色を眺める俺を待つように皆が足を止めており、王様が俺の呟きに言葉を返していた。


「ここは日本じゃ……無いんですよね?」

「ふむ。ここはフレイドロン王国。

 『ニホン』ではない。『ニホン』というのはヒデアキ殿の元いた世界の国名だな。

 神官長。何か『ニホン』という国名に記録はあるか?」

「え~っと、ちょっと待ってくださいね~……」


 パラパラと古めかしい本を捲る神官長。


「まぁ探すのも時間がかかるだろうから、とりあえずは会議室に向かおう。

 もうこの恰好は暑くてかなわん。儀式も終わったのだから早く着替えたいのだ。」


 そう言い歩きはじめる王様。

 俺は白昼夢の最中にあるような心持ちに戻り、歩き出した兵士達の間を進む。

 やがて会議室らしき大きなテーブルのある一室に通され、しばらく待つよう案内された。


 兵士が見張りのように入口付近に立ち、視線を感じながら堅そうな木でつくられた椅子に腰かけ頭を抱える。


 しばらくすると白を基調としたパンジャビ・ドレスのような衣服を纏った女性が銀の大皿に乗せた果物を俺の前へと運んできた。

 褐色の肌に栗毛の髪。彫りの深い顔立ちは、どこかインドのような雰囲気を感じずにはいられない。

 果物を見ても、マンゴーやバナナのような物、木の実のような物にトゲトゲのついた物など多種多様に盛られている。


「何かお剥き致しますか?」

「あ……じゃあ、とりあえず何か甘いのを。」

「かしこまりました。」


 普通は食欲等ないだろうが、こうも果物が並ぶと何か食べてみたくなるのは俺の食い意地のせいだろうか。

 ナイフを取り出したかと思えばサクサク皮を剥き、すぐに空だった小皿に数種類の果物が並ぶ。


 フォークで口に運ぶと、すぐに酸味が口や頭を刺激する。

 一瞬目をしかめると後から甘味が怒涛のように押し寄せてきた。


「おいし……」

「光栄です。」


 ニコリと微笑む女性。

 ナニコレ嬉しい。


「いやー、お待たせお待たせ。」


 王冠と赤いマントはどこへ行ったのか、白い木綿のブカブカでだらんとした服に着替えた王様達がフランクに会議室に入ってくるのだった。



--*--*--


 果物を食べて落ち着いた俺は、会議室で色々と話を聞いた。


 わかった事をまとめると、ここは日本が存在しない世界。まったく別の異世界であるという事。

 魔法や魔物が存在し、人はそれを利用して文明を発達させてきたらしい。話をしていた最中に携帯電話のような機器も見せられ、電気の代わりに魔法や魔力を使っているような印象を受けた。

 また、魔物も種類によっては魔力による操作が可能で、移動や労働、家畜など様々な事に利用され、発展のいしずえとなっている。


 そんな世界に俺は『勇者』として召喚された事になるのだが、何故召喚されたのかといえば伝承による『慣例』らしい。


 魔王の復活を知らせる珠があり、それが約120年ぶりに輝いた為、伝承に従って勇者を召喚し解決に導こうという儀式を行ったのだと。人間の寿命は50、60年という世界で魔王の存在を知る者はいないはずだが、魔王の文明破壊の恐ろしさは昔話やおとぎ話、ならわしなど様々な事で語り継がれているらしい。


 現時点では、まだ魔王の被害は確認されておらず、王国は平和そのものであるらしいが、俺が召喚されたことをもって危機感が現実味を帯び始めたらしい。


「じゃ、すみません。王様と握手しているポーズお願いできますか?」

「え? こ、こうですか?」

「あ~! いいですねー!」


 バシャっと閃光がきらめく。

 つい目が眩むが、王様は口元を微笑の形に固めたまま微動だにしていない。


「はい。もう一枚いきますね~。あざーす。

 じゃあ『勇者召喚成功』のニュースは夕方までに発信しますねー。」

「うむ。よろしくな。」


 新聞記者のようなノリの人間が現れたかと思えば、すぐに去っていった。

 なんだか異世界という感じがしない。


 狐につままれた気分になりつつ、気になっていた事を聞く事にした。


「あの。勇者召喚って2人召喚しました?

 俺の同僚……リョウって言う友人も、俺のいた世界から、多分コッチの世界に召喚されたみたいなんですけど。」

「むぅ? もう一人召喚されたのか?」

「はい。タイミングとか雰囲気とか召喚には間違いないんじゃないかと……」


 王様は片眉を上げ、少しだけ考え込む。


「……さては、アクアノスのヤツらだな」 



また後で修正加えます

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