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4話
「殺すのか?」
「血がよく染み込むように首を落としてから、埋めるんですよ。この子達は、紫陽花の養分となってキレイに華を咲かせるんです」
冬四郎と颯介が1歩踏み出すと、真壁はそれ以上、近寄れないようにする為か佳澄の髪の毛をつかんで顔を上に向かせた。そして、むき出しになっている首に鉈の刃を押し付けた。
「寺井っ‼」
皮膚が切れたのだろう。うっすらと血が滲み白く細い首から鎖骨に向かって流れた。そして雨と混ざり、服にしみこむ。
「湯野さんっどうしましょう…」
この状況では、下手に動く事は出来ない。少しでも動けば確実に、佳澄の首から大量の血が流れるだろう。
「宮前さんっ‼」
冬四郎も颯介も立ち尽くしていた。祐斗も何も出来ずに、成り行きを見守るしか出来ない。