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4話
泥にまみれたむつの顔を、べろっと真壁が長い舌で舐めた。祐斗のみならず、冬四郎と颯介もそれには嫌悪感を抱いた。
「変態かよ」
冬四郎がぼそっと呟いた。
真壁は、満面の笑みを浮かべたままむつの襟をぱっと離した。意識のないむつは、痛がることもなくべしゃっと泥に顔を埋める事になった。
長い髪は雨でびっしょりと濡れ、身体にまとわりついている。腕は後ろで縛られているのか、大きな胸をより強調するようだった。
うつぶせの状態で倒れているむつを仰向けにさせ、顔にかかっている髪の毛を掻き分け、顔に手を添えている。
冬四郎も颯介も苛立っているのか、祐斗の前に歩み出た。
「監禁容疑で逮捕だな」
「おや?警察の方でしたか?」