78/121
4話
振り向いた冬四郎は、面白くなさそうな顔をして頷いた。何も出来なくなったわけじゃないと知り、祐斗は嬉しそうに笑っていた。
だが、冬四郎と颯介の微妙な雰囲気が気にもなっていた。気にはなるものの、聞く勇気は出なかった。
「とりあえず待つしかないけど…駐車場とかこの辺ある?」
「コンビニなら近くにありますよ。その信号を右に曲がったらすぐです」
祐斗の言った通りコンビニがあった。駐車場も広かったので、長めに停めていても迷惑にはならないだろう。だが、買い物もせずそれは出来ない。
颯介と祐斗は、飲み物やらパンなどをゆっくりと物色している。
冬四郎はというと、店先に設置された灰皿の前でタバコを吸っている。雨足はさらに強くなってきていたが、屋根があり風はないのでさほど気にならない。