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4話
教授棟は、まだ残っている者が多く居るのかドア窓からうっすらと光りが漏れていた。
「意外と残ってる先生、多いんですね」
冬四郎と颯介の後ろ姿を見ながら歩くのが嫌になったのか、祐斗は警備員と並んで話ながら歩いていた。
「研究熱心な方が多いんですよ」
警備員もいつもとは違って、話相手がいるからか楽しそうにも見えた。
「そうなんですか~やっぱり夜の学校って不気味ですよね。何か視たりとかってあるんですか?」
「うーん?噂程度ですけど、誰も居ないのに足音がしたりトイレの水が流れたりとかぐらいですよ」
学校じゃなくてもありそうな話に、祐斗が安心したような笑みを浮かべた。
「あーけど、梅雨時期だけ泣き声を聞いたり、人影をみたりってのがあるね」
「えーっ、それってまさに今の時期じゃないですか」
「雨音とか葉の茂る時期だから、風に揺れたのがそう見えるだけだよ」