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4話
薄暗くなり始めた頃、正門を出ていく人達の姿が多くなってきた。颯介と冬四郎は、車の中からその様子を見ていた。
祐斗はというと、サークルの活動もあるからと戻っていった。そして、そこで佳澄がステージの手伝いを終えた後、見掛けた人が居ないかと探していた。
だが、何の連絡もない事から芳しい成果は上げられなかったのだろう。
浮かれたような学生達が、ぞろぞろと出ていく。これから打ち上げにでも行くのだろう。
祐斗も他の学生達と出てきた。
そして、車の前を通りすぎていき、しばらくすると走って戻ってきた。そして周りを見回して車に乗った。
「打ち上げとか大丈夫なのかい?」
「そんなのしてる場合じゃないですよ」
颯介と冬四郎は、頷いた。
「門が閉まったら、行くとしましょう」