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3話
「この6人です」
息を切らせつつ、祐斗の差し出したチラシを見ながら冬四郎がパソコンの画面をスクロールしていく。
「確かに…本当に学祭に来てから行方不明になってるとしたら、1年ごとに居なくなってる事になりますね」
「って事は、やっぱり学校に何か居るって事なんですか?けど、みんな1度は帰ってるんじゃ?」
「そうとも限らない。防犯カメラに全てが映ってるわけじゃないんだ、もしかしたら皆、出てきてないのかも」
「死角を狙って連れ出してる可能性もあるって事ですか?」
「ってなると内部犯ですよ」
「うん…どっちにしても明確な手掛かりもないし手詰まりだ」
冬四郎は、パタンとパソコンを閉じた。
「…警備室に行こう」
「え?」
冬四郎は、パソコンを鞄にしまうと車を降りて行ってしまった。何をする気なのか分からないが、颯介と祐斗も後を追って車を降りた。