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3話
「むっちゃんも宮前さんと同じ様に感じてるのかもしれませんね…時に、今はお付き合いしてる人は?」
「はぁぁ?それこそ、今は関係ないじゃないですか」
冬四郎の呆れたような声に颯介は、くすくすと笑った。
「そうして、二人で話す機会なんて無いですから聞いてみようかと…祐ちゃんが戻るまで暇ですしね」
それもそうか、と冬四郎は納得した。だが、こんな状況でこんなにのんびりと他愛のない会話をしていても良いものかとも悩んだ。
「まぁ今はいませんよ…そういう湯野さんはどうなんですか?」
「居ませんよ。だからって募集中ってわけでもないんですけどね」
「そうなんですね…あ、谷代君が戻ってきたようですよ」
冬四郎は、ほっとしたように祐斗の到着を待っていた。ちらっと颯介を盗み見するが、こちらは何ら変わりなく涼しい顔をして居る。




