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3話
「それで、人間が関わってるんですか?それとも他の何かですか?」
祐斗が居なくなったすきに冬四郎は、助手席に移動をしてきた。その方が、颯介に取っても話がしやすいし、パソコンが見易いしで良かった。
「電源切るくらいですから、人間なんじゃないですか…ってなると俺たちの出る幕ではないんでしょうけど」
冬四郎は、肯定も否定もしなかった。
「捜索願い出して、引けとか言わないでくださいね。うちのむっちゃんも居なくなってるんですから」
「分かってますよ…それに、届け出して待ってって言うくらいなら、わたしも出向いたりしてません」
「そうですよね。それにしても、宮前さんは随分と自由に動けるお立場なんですね?」
颯介らしからぬ鋭い視線をも気にもせず、冬四郎は平然と黙殺した。
「ま、細かい事はお気になさらずに。抜け出してくる口実なんていくらでも作る事は出来ますしね」