54/121
3話
「とにかく、見かけたら声かけといてやるからさ、変な噂なんか気にすんなよ。人も多いからすれ違っても気付かないって事もあるさ」
そう言ってくれた先輩が、ぽんぽんっと祐斗の肩を叩いて慰めてくれた。
「ありがとうございます…あの、じゃあ、すみませんがお願いします」
祐斗は頭を下げると、颯介のもとに戻っていった。
「どう?」
「下で階段を上がる姿を見掛けただけ、だそうです」
「そう。…にしても、皆よくむっちゃんを満てたんだねぇ。そんなに人目をひく感じだった?」
「まぁ…それなりには。そこそこ美人でしたよ、ばっちりメークで」




