51/121
3話
「毎年って本当なのか?だとしたら凄い事だな」
「宮前さんに聞いてみます?警察ですし、答えてくれるかは別ですけど」
颯介は、そうだなと言い携帯を出したが、困ったように祐斗を見た。
「連絡先、知らないや」
「あっ‼俺もです」
「社長から連絡して貰うか」
そう言い、社長の携帯に電話した。
『はいはーい?何か分かった?』
「お願いがあるんです。宮前さんに連絡して、ここ10年ほどの行方不明者リスト、女の子のだけを教えて貰いたいんですけど」
『はー?10年分?女だけ?…まぁいいや、連絡してみっから待っとけ』
今度は社長の方からすぐに電話を切った。とりあえず、これで冬四郎に連絡はしてくれるだろう。
「これから、どうします?」
「むっちゃんを探す。勝手に帰るって事は流石にないだろうからね。一応、仕事として一緒に来てるから」
「何処に行くとかは聞いてますか?」
「館内に行くって言ってたな」
「なら、全部の棟当たってみましょうか。誰かに見られてるはずですし、もしかしたら出会うかもしれませんしね」