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3話
祐斗が佳澄と仲の良い友達を探して歩き回ってる間、颯介はまたむつに電話をかけていた。コール音だけが、続くだけでむつが出る気配はない。
祐斗が女子学生と話してる間に、颯介は社長に電話を掛けた。
『はいよー?どした?』
「むっちゃんと連絡つかないんですよ。電源は入ってるみたいなんですが」
『けど、学校に居るんだろ?呼び出して貰えば良いだろ?』
「そうなんですけどね…」
『どうした?』
颯介はまだ話をしている祐斗の方を、ちらっと見てから声を潜めた。
「学祭に来た子達が、ことごとく行方不明なんですよ…むっちゃんも昨日、学祭行ってるじゃないですか」
『巻き込まれてる可能性があるのか?』
「何度もかけてるのに出ないんですよ。少しおかしくないですか?」
『考えすぎじゃねぇの?あいつを黙らせて拐えると思うか?』