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3話
「さて、と。ちょっと見せて貰うよ」
颯介は座るとさっそく、祐斗の集めた新聞記事に目を通し始めた。
「本当にここの学祭に来てから数日のうちに行方不明になってるみたいだね…それ以外の共通点は特に無さそうだな」
パソコンの画面の記事にも目を通したが、年齢も住んでる場所もバラバラだった。ただ、冬四郎の言っていた通り、一人だけは事件性を疑われたようだが、結局何の手掛かりもないまま、捜査は打ち切りになっていた。
「けど、やっぱり学祭に来てからってのが気になるね。そのお友達は、最近何か言ってたりしなかった?遠くに行くとか、そんな感じの事」
「いえ…特には何も。俺以外の友達ななは話してるかもしれませんけど」
そう言うと祐斗は、パソコンの電源を落とした。颯介もさっと新聞を近くの返却棚に入れた。
そして二人で図書館から出た。




