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3話
無事に祐斗と合流出来た颯介は、むつの携帯に電話をかけていた。
「むつさん、出ないんすか?」
「うん、祐ちゃんと言いむっちゃんと言い、携帯持ってる意味って何だろうね」
颯介はそう言いつつ、1度切ると再びかけ直した。だが出ない。
「それで、何で図書館に?」
「卒業生らが来てて、噂を聞いたんですよ。行方不明になってる人たちはみんな学祭の時に居なくなってるって。だから図書館で昔の新聞とかを」
「調べてたってわけか。何か分かった?」
「確かに学祭の時に居なくなってるみたいですけど…それ以外は何も」
颯介は、しはまらく考えた。
「仕事としてやるかい?」
「はい。友達が居なくなってますから」
「彼女じゃないのか?」
「え?寺井がですか?違いますよ」
ふっと笑った颯介は、ぐしゃぐしゃっと祐斗の頭を乱暴に撫でた。




