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2話
「気になるの?」
「ん?まぁ職業病だよな」
明るく笑う冬四郎をむつが何かを探るように見ていたが、すぐに視線を外してアイスティーのストローをくるくると回した。
「で、宮前さんこの人が事件性ありって言ってましたけど…何かあったんですか?」
「俺は捜査に加わったないから、話聞いただけだけどな」
冬四郎は、そう前置きをして氷りで薄くなってきたアイスコーヒーを飲んだ。
「学校から出てないらしいんだよ」
「出てない?」
「そう。防犯カメラとかにも学校に入ってく姿を確認出来ても、出てきてないんだよ。だから、校内のどっかで消えた…まぁ誰かにどうにかして連れ出されたんじゃないかってなってな」
むつも祐斗もいつの間にか真剣に冬四郎の話に聞き入っていた。