25/121
2話
「それにしてもさぁ、祐ちゃんが軽音やってたとは思わなかったな」
むつはパンフレットを開いて、軽音の演奏時間、それも祐斗が出る時間帯のだけを教えて貰ってたので、それを確認した。もうそろそろ始まる頃だ。
「担当は?…ボーカル?」
「ね‼不安だわ、何か祐ちゃんの親の気分な気がする」
正門をくぐって、真っ直ぐに野外ステージがある方に二人は向かっていく。
「で、谷代君は軽音部としてステージもこなして喫茶もやってるのか?謳歌してるなぁ」
「そうみたいねぇ、しろーちゃん時は何かやったりしたの?」
「いやー俺は不参加だったな。当日に見に行く事もしなかったしな」
野外ステージが近付くにつれ、人が多くなっていく。それなりに盛況な様だ。人の多さにむつと冬四郎も自然と期待が高まっていった。