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よろず屋-人の欲-  作者: 幹藤 あさ
22/121

2話

冬四郎にまじまじと見られ、むつは恥ずかしそうに目をふせた。


「そ、そんな事より。何してんの?」


「あぁ、山上さんに呼び出されたんだ」


隣に座ってきた冬四郎は、襟元を開けパタパタとあおいで風を送っている。じっとりと汗をかく、そんな陽気だ。


「で、むつは何?友達と待ち合わせ?」


「ううん、颯さん待ってるの」


途端に目を細め、険しい表情を作った冬四郎が再び、むつを無遠慮に上から下まで何度も見た。


「え?何?もしかして、変?」


「上着ないのか?ちょっと肌が見えすぎじゃないか?」


急に年頃の娘を持つ父親のようになった冬四郎に、むつは目を大きく開けて驚いていた。たが、大人しく着たりはしなかった。暑いからだ。


「はぁーったく…山上さん遅い」


「ふーん、連絡してみれば?」


冬四郎が電話を掛け始めたのをみて、むつも鞄から携帯を取りだし、颯介からの連絡がないかを確認した。


「あっ、山上さん遅いじゃないですか‼今、何処…へ?むつ?隣に居ますけど……はっ?…むつ、代われって」


「えー?何よ。…もしもーし?何?……はぁ?何それ‼…あ?あーはいはい」


むつが不機嫌そうに、携帯を冬四郎の耳に押しつけた。


「どうしたんですか?」


『むつにも言ったけど、俺と湯野は急な仕事でさ、悪いけど行けないから。後は適当に、頼むよ』


「え‼ちょっ…切られた」




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