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1話
「作戦内容聞いてから考えますよ」
そうは言いつつもすでに、奢って貰う気でいる祐斗は、さらに追加注文した。学校終わりで空腹だったので、今は飲むよりも食べる方が先だ。
「うん、もうすぐ祐ちん所の学祭があるよね?そこにデートに行かせようかと‼」
サラダを平らげた祐斗は、目をパチパチさせている。
「何で知ってるんですか?」
「予定表くれたじゃん?」
「目通してるんですか?」
「むつが。それを見ながら祐ちんのシフト考えたりとかしてるから最近バイトないのも学祭の準備とか必要だろうからってさ」
追加できた揚げ物を皿に取り、食べようとしていた祐斗は、箸を止めた。そして、成る程と一人納得した。
むつが然り気無くそうした気遣いをしてくれてるのが祐斗は嬉しかった。だが、だからってこの作戦に参加したいとは言えなかった。率先して、むつと冬四郎の仲を取り持つなんて。
「けど、むつさんが学祭なんかに行くとは思えないんですけどね」
「そ、だから祐ちんが誘いなよ。祐ちんに言われたら、あいつも見に行くくらいならーって行くだろ」