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4話
颯介は佳澄を屋根のある所に戻寝かせると、どこからか園芸用のスコップを4本持って来た。そして冬四郎に1本押し付け、むつと祐斗にも渡した。受け取った冬四郎も仕方なさそうに、むつの隣で土を堀始めた。
あまり深く掘らずともすぐに、白骨した遺体を見付ける事が出来た。祐斗とむつは、スコップを置き手でそうっと泥をどかしていった。
「見つけたよ」
祐斗はそう言うと、土に汚れた白い骨になった手を握った。他の女性達の遺体も近くに埋められており、すぐに見付け出す事が出来た。
「雨で土が柔らかいからかな、みんな見付かって良かったね」
むつは、そう言い祐斗と笑いあった。泥のついている手で額に浮かぶ汗を拭ったせいか、顔のあちこちに泥がついてしまっている。
だが、二人ともそんな事は気にもしていなかった。




