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4話
「あれは人間だ…だから、人としての罪の償い方がある。殺しちゃいけない…ましてや、貴方のその力では」
むつはそう言うと、祐斗の腕に身体を預けるようにすり寄った。
「祐斗」
もう1度ゆっくりと名前を呼ばれた祐斗は、むつの肩にかけている指にぐっと力を入れてすぐに緩めた。
「むつ、さんっ」
祐斗は、ぼろぼろと大粒の涙を溢しながら、むつに覆い被さるようにして抱き締めた。
「無事で良かった、ホントに」
「うん、祐斗のおかげだね」
泣きじゃくる祐斗の額にむつは自身の額をぐりぐりと押し付けた。泥で汚れようとも祐斗は気にしなかった。
「さ、あの子達を解放して上げて。これ以上、辛い事をさせちゃダメだよ」




