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よろず屋-人の欲-  作者: 幹藤 あさ
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4話

もうすぐで死ぬんだ、と祐斗は無感情にも思っていた。


その時、腕の中に居たむつの瞼が痙攣するように動いて、ゆっくり目を開けた。


「祐斗…流されるな」


むつのかすれた小さな声がした。だが、祐斗の耳には届いていない。


むつは、さかさかになった口内を濡らすように、舌を動かした。そして、唇を濡らすともう1度、小さい声ではあったがハッキリ祐斗の名前を呼んだ。


「祐斗」


弾かれたように、祐斗は腕の中にいるむつに視線を向けた。


「流されるな」


むつは微笑んでいた。



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