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4話
祐斗は、そっとむつの前に膝をつくと上体を起こさせた。やはり腕は後ろ組まされ縛られていた。
「死ぬのは貴方だ」
猫の目のような瞳を真壁に向けた。真壁は声にならない、息を吸い込むようなひゅっという悲鳴をあげた。
女性達の手が、ぺたぺたと真壁の身体を触りながら上に向かう。その行き着く先は首だった。
何重にも手が重なり、ゆっくりとゆっくりとその首をしめていく様子が見えた。
祐斗は、祐斗らしからぬ笑みを浮かべてその様子を、じっと見ていた。
ぐぅっと息のつまっていく声が、真壁の開いた口から漏れた。その口は何かを言うわけでもなく、ただ魚のようにぱくぱくさせているだけだった。