表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンズ&ドラゴン  作者: H氏
ハイドル霊廟怪異編
35/39

俺、策士になる

 『ハイドル霊廟(れいびょう)』の化物モンスターから採集さいしゅうされた『渦霊かれいの宝石』はディアマンドの罠だった。


 の宝石に含まれていた霊力れいりょくは白龍様の霊力れいりょくでは無く、ディアマンドがパワー源泉げんせんだととなえる、殺戮さつりく世界ゲームパワーだった。


渦霊かれいの宝石』の霊力れいりょくで強化したよろいを装着した神殿騎士団員は全員が霊力れいりょくの魔力により、レベル1、生命ライフ1に成ってしまい意識不明の重体!


 そしてラストニア(じゅう)にある宝石の霊力れいりょくはディアマンドの元へと集まり、


 巨大なパワーを手にしたディアマンドは『渦霊かれいの宝石』から霊力れいりょくを抜いた後の残骸である石ころから骸骨スケルトンを生み出した。


 多くの冒険者が採集さいしゅうして霊力れいりょくを抜いた石ころはラストニア(じゅう)に捨てられ、その数は百万個。


 百万個の石ころから産まれたのは百万ミリオンの『骸骨軍団スケルトンアーミー』!


 更にやつは巨大な骸骨司祭ワイトとなり、自らを『大骸骨霊法皇だいがいこつれいほうおうディアマンドラアス』と名乗った!!


 その時のやつのレベルは200だったが、やつが虚空より白と黒のケーブルを引き出した瞬間、ディアマンドラアスのレベルは9999とカンストした!!!


 また、『渦霊かれいの宝石』の霊力れいりょくは神殿の『龍のいしずえ』、『拠点きょてんいしずえ』に影響を与えいしずえは転移の力を失い、新大陸、隣大陸にる高位の冒険者を呼ぶことも出来なくなった!


 雪降るラストニア大陸で孤立した神殿にディアマンドラアスの『百万骸骨軍団ミリオンスケルトンアーミー』がせまる!!


 神殿は『白龍』様の霊力れいりょくにより十枚の結界が張られている。


 その一番外側の結界に百体の『骸骨巨人スケルトンサイクロプス』の棍棒が撃ち込まれる!!!


 ドガァアン!ドガァアン!ドガァアン!


 神殿中にひびわた衝撃音しょうげきおん!!


 十体の『骸骨竜スケルトンドラゴン』が死の豪息(デスブレス)を結界に放射し!


 バゴオォオオオオオオオオンンン!!!


 神殿中に震度4の揺れが起こる!


 その状況の中でも、俺は『遠見とおみのボード』のディアマンドラアスを見ていた。


 やつが持つ二本のケーブル、一体此いったいこれは何なんだ?


「御主人様?」


 やつの二本のケーブルを空中から取り出した時、レベルがカンストした。


「御主人様!」


 つまり、やつの強さ、霊力れいりょくの供給をのケーブルがしているとしたら?


「御主人様!!」


 二本である意味は?


「御主人様!!!」、マリーが俺の耳元で大声で俺を呼び、俺の手を引っ張った。


「何、ボーっとしてんのさぁ!レイ!!」と怒りぎみの声でメリーが俺をしかる。


「いゃ、すまん、ちょっとあのケーブルが気になって。」と俺はディアマンドラアスをしながら皆に謝った。


「ケーブル?」とマリーが不思議そうに、


「あっ、あのディアマンドが手に持っている白と黒のひも。」


 メリーはあきれた顔で、「何を言ってんだよ、レイ!そんなのやつは持って無いよ!!」


「えっ?」


 エリーも不思議そうに、「私にも、そんなひものような物は見えませんけど?」


「えっ!!」、俺はマリーに振り向いて、「マリー!」


「済みません、御主人様、私にも見えません。」


 ・・・あのケーブルが見えるのって俺だけ?


 何故なぜ


 マリーはあわてて、「兎に角(とにかく)、御主人、ぐに『白龍』様のところへ行かなければなりません!」


 ああ、そうだよね、今回は流石さすがに『白龍』様に相談しないと、分からない事が多すぎる。


 ジョセッペのじいさんが我に帰って、「おぉおぉおぉ!そうじゃ!そうじゃ!『白龍』様のところへ行くのじゃ!!」と騒ぎ、


 俺達は神殿の『白龍』様のところへと移動した。




 神殿の奥の殿(おくのでん)には『白龍』様がる、その『白龍』様はゲームと違い生きているわけでは無い。


 其処そこるのは龍の巨大な骸骨がいこつであり、その骨も白く化石化かせきかしている。


 そして、俺にだけは白骨の中心部に青い光が見える、その青い光は、今は消えそうな位に暗く見えた。


 説明をメリーから聞いたエリーは驚いて、「えっ!マスターは『白龍』様と会話が出来るのですか!!」


 会話ってうより、昔の漫画の中のコンピュータみたいに片言かたことのやり取りだけどね。


 メリーは得意気に、「それに内の旦那はスッゲェェェ強いお友達(フレンド)を呼ぶことも出来るんだよ、エリー。」


 メリー、違うから、呼んでるのは『白龍』様で、俺はお友達(フレンド)を呼び出す条件クエストを達成するだけだから。


 エリーが目を輝かせながら、「やっばり、私のマスターは、私が思っていた通りの人だったんですね!」


 そうっ、俺は君が思っているとおりのただのエロオヤジ、ただそれだけ。


 ジョセッペが苛立いらだった声で、「どうじゃ、レイ殿、『白龍』様は一体、何と仰有おっしゃられているのじゃ!」


 俺は『白龍』様にワイトやオーガ、デスナイトの魔素まそささげて、の事態の打開策を聞いた。


 待つ事、十分前後、


「待ってくれ、ジョセッペ、小さくて聞こえない、えっ・・・二千?・・・骸骨魔法士スケルトンソーサラ、えっ討伐するのか?」


 『白龍』様の声はかすれて小さく聞き取りにくかった、それでも何とか理解出来たのは、二千とう数字と、相手が骸骨魔法士スケルトンソーサラだって事。


 ジョセッペが驚いて、「骸骨魔法士スケルトンソーサラじゃと!!」


 マリー、メリー、エリーも、「えええええっ!!」、と同時に驚き、三人ともドングリまなこでちょっと可愛い。


 皆が驚くのも無理は無い、


 骸骨魔法士スケルトンソーサラは後方大迎撃部隊だ其処そこまで辿たどり着くには、『骸骨剣士スケルトンソルジャー』 50万 『骸骨戦士スケルトンウォーリア』 30万 合計80万の部隊が神殿を幾重いくえにも包囲ほういしているのでその包囲ほうい突破とっぱしなければ成らないし、その距離は1キロメータ以上は有る。


 また、部隊の隙間すきまには『骸骨狼スケルトンワーグ』 5万が徘徊はいかいし、空からは『骸骨女鳥スケルトンハーピ』 5万が襲って来る。


 さらに結界を破壊しようと神殿を出るとぐに巨大な棍棒こんぼうを持った『骸骨巨人スケルトンサイクロプス』が100体、『骸骨竜スケルトンドラゴン』が10体待ちかまえている。


 の状況で神殿騎士団や高位の冒険者の護衛無しに、『骸骨魔法士スケルトンソーサラ』の位地まで辿たどり着くのは不可能!!


 ジョセッペのじいさんは何故か納得した顔で、「分かったぞレイ殿!前回のように、メテオフォールを奴らにぶつけるのじゃな!流石さすがレイ殿!此処ここから届く超大魔法を会得えとくしたと言うわけじゃな!」


 じいさん!勝手に想像するなよ!そんな魔法有る分けないだろうが!バカか!


「ジョセッペ、俺のメテオの射程は二百メータが限度、魔法の詠唱時間は十分以上、だから魔法は此処ここからじゃ届かないし、近くに行って魔法を詠唱していたら、詠唱している間に殺されるって!」


 ジョセッペは目を見開いて、「なぁ、なあんじゃと!!」


 驚いたジョセッペは可愛くない。


「ジョセッペ、他の方法を考えなければ駄目だ!」


 マリーが俺の方を見ながら、「御主人様には何かさくが有るのですか?」


 俺はうなずきながら、「さくが無いわけじゃない。」


 こう状況シュチゥエーション世界ゲームには良くある事だ。


 問題は二つ、


 一つはどうやって、骸骨魔法士スケルトンソーサラの場所迄行くか。


 二つ目は、の場所でどうやって、二千の骸骨魔法士スケルトンソーサラ討伐とうばつするのか。


 の場合、たぶんディアマンドラアスの一撃即死の大魔法攻撃が来る事が前提ぜんていであり、


 これを俺達が喰らったら終わりだ。


 しかし、世界ゲーム俺達ユーザが必ず勝つ手段(クリア)の出来る仕組みが実装されている。


 ようは、その手段コウリャクを見つけるかどうかだ。


 ただし、の法則は駄目な世界(クソゲー)には当てはまらない。


白龍はくりゅう』様が造り上げた世界ゲームD&DON(ダアドオン)駄目な世界(クソゲー)じゃない!


 だから、俺達がやつに勝ち、の世界を救う手段は必ず有る!!


「まず、どうやって骸骨魔法士スケルトンソーサラの場所迄行くかだが、」


 俺は一旦、言葉を区切り、「俺達は、空を飛んで行く!」


 全員が驚いて、「空!?」


 うん、やっばり、マリー、メリー、エリーの驚いた顔は可愛い。


 ジョセッペが納得した顔で、「うん、うん、流石さすが、レイ殿、空飛ぶ大魔法を会得えとくしたのじゃな!」


 無いから、そんな世界の法則(ゲームバランス)壊すような魔法無いから!


「嫌、ジョセッペ、魔法じゃなく、『探求者シーカ』のロープを使う!」


 メリーが俺の意図を理解して、「そうか!『探求者シーカ』なら空を飛べるし、走るよりはるかに早い!」


「ディアマンドは俺達に都合良く、空に五万の骸骨女鳥スケルトンハービを配置してくれた、俺達は密林王者ターザンのように女鳥ハービにロープの連続掛けで一気に骸骨魔法士スケルトンソーサラの場所に行く!」


 マリーが不思議そうに、「密林王者ターザン?」 


 御免、俺の元いた世界の有名人、アアアアアアアアの人、分かんないよなぁ。


勿論もちろん、『探求者シーカ』に成るのは俺とマリー、メリーだ、エリーは『僧侶プリースト』として俺が背負う。」


 流石さすがに今回は、メリーは騒がないで黙っている。


「そして目的地に到着したら、『ハンズ作戦』で行く!」


 全員が驚いて、「ハンズ作戦?」


 マリーが代表して、「御主人様、『ハンズ作戦』とは?」


 俺は全員により詳しい説明を始めた、「まず、の作戦のきもは、ディアマンドが世界ゲーム誓約せいやくした、俺達を一回だけ見逃す事にやつ何処どこまでしばられているかに有る。」


 俺は考えながら、「あの時、ディアマンドは時間や距離の制限を付けなかった、だからの一回は、推測だが、やつに敵対しなければ何時いつまでも有効だと俺は考えている、つまり、俺達は骸骨魔法士スケルトンソーサラの居る場所迄はディアマンドの攻撃を受けない!」


「えええええっ!!」


 その真実に全員がまた驚き、


 その中でメリーが不思議そうに、「しかしレイ、やつがその誓約せいやくを守らなかったら?」


 世界ゲームの中では法則ルールは絶対だ、ましての世界はまだ『白龍はくりゅう』様の世界、やつは絶対に守る!


「大丈夫だ、やつは自ら言っていた、世界は公平だと、誓約を破る事が出来たなら、やつは最初から破っているはずだ! しかし、やつは誓約を守った、つまり、やつは誓約を破る事が出来ないんだ!!」


 しばらく考えた後、メリーは納得して、「・・・そう、そうなのか。」


 俺は話を続けた、「ただし、ディアマンドに敵対する行為が、やつが召喚した骸骨スケルトンも含まれている可能性がある、其処そこでレベルの高いマリーとメリーが先行して俺とエリーの通る道を空けて欲しい、その際、骸骨女鳥スケルトンハービには一切攻撃いっさいこうげきをしてはならない。」


 マリーが決意したひとみで、「りました、御主人様!」


 メリーは一度(ひとみ)を閉じて、自分に言い聞かせた後、「やる!絶対やる!!やってみせる!!!」


 俺はうなずきながら、「エリーは、二人に僧侶プリーストとして、耐久力上昇ソリッドライザー生命回復ヒールオーラをマリーとメリーに付与転送フィールドシフトしてくれ。」


 エリーは自分にも役割があると知って、「はい!分かりました!マスター!!」と緊張気味に返事を返してきた。


 俺は、その様子が可愛いかったので、笑顔で、「良し、マリーとメリーは出来るだけ骸骨魔法士スケルトンソーサラ密集地帯みっしゅうちたいを見付けて、其処そこりる、俺はメリーが地上に降りる直前にメリーを大盾聖者シールドセイジ転職ジョブチェンジする!」


 メリーが驚いて、「私が大盾聖者シールドセイジ!」


 俺はうなずきながら、「そうだ、錬金術師アルケミストと同じ前衛支援職ぜんえいしえんしょく、メリーと相性がはずだ。」


 メリーが、ちょっと戸惑とまどいながら、「やった事があるから、多分、出来ると思うけど、何故なぜ?」


 俺は真顔まがおで、「の時点で、世界との誓約せいやくは破棄されている、ディアマンドラアスを含めて、五万の骸骨魔法士スケルトンソーサラの魔法攻撃が休む事無く、俺達に襲いかかる、それを防ぐ方法が唯一ゆいつ大盾聖者シールドセイジ神の領域(ハンズオブゴッド)だ!」


 全員が声を揃えて、「神の領域(ハンズオブゴッド)!!」


 ハンズオブゴッド、法力で守護しゅごされた空間を発現し、空間内にいる味方へのダメージを無効化する大盾聖者シールドセイジの大技!


 メリーが不思議そうに俺に聞いて来た、「そんな凄いスキルが有るんだったら、何で今まで、私やマリーねえに使わせてくれなかったの、レイ!」


 マリーも考えながら、「私も、確かに聞いた事が有ります、大盾聖者シールドセイジの究極の防御ガード技法スキル、確か欠点が有って実用的では無いと聞いてましたが?」


 俺はうなずきながら、「あぁ、そうだ神の領域(ハンズオブゴッド)はスタミナを一瞬で消費してしまう、だから単独での使用は無理なスキルだ!」


 俺の話を聞いたエリーが自分が出来るスキルを思い出し、「!まさか、れで私が!!」


 俺はエリーに目を向けながら、「神の領域(ハンズオブゴッド)は高位の僧侶プリーストであるエリーが俺達のチームに加わってくれたからこそ、出来るスキルなんだ、のスキルの発動中は、僧侶プリーストのスタミナ回復スキル、エナジースポットが必須ひっす!!!」


 エナジースポット、僧侶プリーストスキル、急速にスタミナを回復させる魔法エリアを発現させるスキル。


 エリーが俺達に何度も使ってくれていた、元気一発ファイト!ってスキルのスキルをエリーが使った時から、俺は大盾聖者シールドセイジ神の領域(ハンズオブゴッド)が使えると考えていた。


「そして、俺とマリーは魔法士ソーサラ転職ジョブチェンジして奴等やつらにメテオフォールをぶちかます!!!」


 マリーもうなずいて、「分かりました!御主人様!!」


 ジョセッペが感激して、「流石さすが、レイ殿じゃ!!」


 俺はジョセッペを無視して、「エリー、出来たらでいんだか、クイックチャージもはさんでくれないか。」


 クイックチャージ、僧侶プリーストが精神を集中し、自身を中心に味方のスキルの発動時間を大幅に短縮する祈りを捧げるスキル


 エリーは困った顔で、「二つ同時は無理です。」


 俺は出来るだけ優しい笑顔で、「出来たらでい、優先はエナジー、エナジーは絶対に切らせないでくれ。」


 エリーも笑顔で、「はいっ!!!」


 こうして、俺達は友達フレンドを呼ぶ為の『白龍』様からの、いのちけた討伐依頼(クエスト)、二千の骸骨魔法士スケルトンソーサラの討伐に挑戦する事になった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ