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ドラゴンズ&ドラゴン  作者: H氏
始まりの大地編
3/39

俺、ゴブリン討伐する。

 神殿で、白龍様の声を聞いたような気がした俺は、


その後、神殿を後にして『仲間酒場』に行った。


昼飯にハーブサラダとミートローフを注文した、味は、まあまあで、悪くはない。


値段も二つで150G、安宿が素泊まりで50Gが相場だと聞いたので、飯で150Gはそこそこだ。


一日二食で、宿代と食費で350G掛かる、持ち金が2,000Gだから5日分だ、さっそく魔物を討伐して稼がないと、生活がまずい事になる事がわかった。


白龍様の声は気になるが、まずは生活だ。


飯を食べた後、宿場街から礎の広場を抜けて、商店街に向かった。


橋を渡ると、すぐ武器屋がある。

そこで一番安いブロンズソードを80G、ラウンドシールドを40Gで買い、


隣の防具屋で胴防具のハイドアーマーを840G、脚防具のバトルグリーを600Gで買った、脚は大事だよね。


残り290Gだけだ。


その他、頭と腕の防具も欲しかったが、金が無いので諦めてラストニアのハイドル平原に向かった。


そこには、お約束のザコキャラ、ゴブリンがいるからね。


神殿から街道を南に下り、街道から少し離れた所に、ゲームと同じ設定なら三匹のゴブリンがいたはずだが、いたよ!奴等、油断して寝ていやがる。


奴等のレベルがうっすらと見える。どれどれ、やったよ、ゲームと同じレベル1だ。


勝てる、俺は確信した。


俺のレベルは40だよ、余裕じゃん!


おっ、奴等俺に気がついた、えっ、早っ!


ちょっと待てよ、わっ!イテェェェェェ!


殴った!奴等、俺を殴ったよ!ヤバイ、頭から血がでてるよ!生命力のバーが半分に減ってる!


俺、レベル40だよね、何でレベル1に負けるの? 何でェェェ!!、レベル意味ないじゃん!!


防具なの? アイテムランクが低いから!


嫌だ嫌だ! この世界何処までゲームに忠実なんだよ!


『マヌケ』


しゃべってるよ、奴等、お尻ペンペンしながらしゃべってるよ、って、ヤバイ、取り囲まれちゃったよ!どうする!どうする!


スキル!スキルがあった!どうやって使うんだよ!叫べ!叫べ!


『一閃突き!!』、わっ!体が勝手に、景色が回る!うぉっプ、吐きそう、目が回っちゃっう!だめ、だめ、だめ!!


体力バーが減ってる!はぁ、はぁ、これはきつい、って、ゴブリンはどうなった。


奴等の生命力のバーがゼロだ!


死んでいるのか? えっ、薄くなって空間に溶け込んでいく! 


何か白い物がある、おっ、消えた!


『ゴブリンの角 2個』うっすらと、目の前に表示された、これが霊力のカードの機能なのか?


魔素は24、ルーンは582と表示されている。


この状況だけ見ると、まんまゲームなんだよなぁ、だが、頭を触ってみれば血がでてるし、痛いし、これじゃ絶対に死んじゃうね。


だいたい、俺はただのセールスマンなんだよ! 

剣や盾なんか使えるわけ無いじゃんか・・・だけどよ、ここじゃ、この仕事しか出来ないだろうし、やるっきゃねぇよな。


とりあえず、慎重に、痛いのやだから、スキル連発の初心者ゲーマーでいくっきゃないでしょ。



と言うわけで、なんやかんやで、俺は夕方迄にゴブリンを50匹近く討伐した。


おかげで、俺は血だらけのボコボコ状態、


スキル酔いで少なくとも三回は吐いた、もう吐くものもねぇ、辛れぇよぉ!


そんな俺でも金を見ると、不思議と元気になるから、現金なものだ、一応洒落ね。


バザーで『ゴブリンの角 34個』が相場200G、手数料2割引いて、180Gで売れたから、6,120Gの収入になった。


ちょっと嬉しい。


収入も入ったので、商店街の防具屋で売っている下着で、腹巻きのようなコイルドウェアを720G、ショートパンツを400G、チュニックを560Gで購入した、ついでに道具屋でタオルや腰に付けるポーチ等も買った。今の持ち金4,000Gほど。


その後、冒険者組合の安宿に泊まるため、宿場街にある組合に戻ったのだが、血だらけの俺を見たアースボルトは、こりゃだめだなぁって顔をして、ただ首を振るだけで、俺には何も言わなかった。


ちょっと寂しい。


組合の入り口の正面に宿の受付カウンターがあり、ゲームではそこに、気難しい宿の親父であるバーソンがいたのだが、確かに彼に似た親父がいた。


一応、俺は気さくに声をかけた。


「よぉ、泊まりたいんだが、部屋ある?」


「50G!」


「OK、わかった、で風呂は?」


「よその宿に行け!」


ゲームそのまんまの性格、横で娘のジュリエが笑ってるよ。


「カードをよこせ、28号室、カードを戸にかざせ!」


おいおい、このカード、宿の鍵にもなるんかい。


愛想のない親父が、俺のカードをカウンターの水晶のような物にかざし、カードを返してくれた。


きっちり、50G引かれてた。


入り口にある階段を登った二階が、客室であり、ゲームでは、プレイヤーの広い自宅だったが、・・・


まぁ、そんな事があるわけもなく、現実は、中廊下で仕切られている寄宿舎、そのまんま。


中廊下の両側に狭い間隔で、引き込戸が片側に15箇所、合計30箇所、嫌な予感しかしない。


カードを28号室の戸にかざすと、カチャリと音がして、戸が開いた。


案の定、中は狭く、三畳ぐらいにベッドが一台、収納はベッドの上に棚があるだけ、入り口の横に0.75畳のトイレがあり、仕切りは布一枚で、便器の正面に陶器の手洗いがある。


入り口の正面には30センチメートルまっ四角な明かり取り用の小窓があるが、今は夜なので、真っ暗だ。


俺は、疲れとスキル酔いで食欲もなく、倒れるように、ベッドに横になった。


「早く、家、持ちてぇよぉぉぉ。」


こうして、ラストニアでの、俺の最初の長い一日が終わった。



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