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ドラゴンズ&ドラゴン  作者: H氏
始まりの大地編
13/39

俺、戦場に立つ

 ハイドル平原の北の大橋を、十万のオークは渡り終えて、ハイドル平原は緑の絨毯で被いつくされた。


一際、大きな御輿の上には、四メートルを越える巨大なオークが座っていた、奴が、皇帝ドルゾック!両側には、十メーターを越える巨大竜ベヘモットが二体、その後を、三十体のサイクロブス!


奴は、あいつらを神殿にぶつける気か?


「司祭長!」


レオが、呻いた!


「大丈夫じゃ、レオ殿、ベヘモットごとき、百体現れようとも、白龍様の神殿結界は壊れん!」


全員が、安心した瞬間、それは起こった!


オーク達は、千体のゴブリンを二つのグループに分け、それぞれを五十体のオークが取り囲んだ!


彼等の手には、黄金の鉈が握られていた。


「あれは!!!」「ディアマンド!!」


ジョセッペとレオが同時に叫んだ!


「『龍殺しの鉈』、錬金術師のディアマンドが関わっているなら、全てが納得できる!大体、たかが樽爆弾ごときで、礎が破壊された事に、儂は、おかしいと思っていたのじゃ!!」


ジョセッペのじいさんが悔しげに言った、じじい、後からなら何でも言えるんだぞ、これ忠告な。


「しかし、あいつは、私がこの手ではっきりと殺した!!!」


レオが、怒った表情で、手を握りしめながら、叫んだ。


そうだ、ゲームでも変な錬金術師が出た。


彼と、レオことケイの因縁は、彼の恋人なのか、じゃないのか、ふったか、フラれたのか、ようは、良く分からない関係の、ハンターさんが、その錬金術師に、殺されたのか、どうなのか?

これまた、良く分からない、復讐劇だったような。


「レオ、そいつは、君の恋人のハンターを、殺した相手か?」


俺は、彼に気を使いながら、さりげなく聞いた。


レオは、何に言ってんだこいつ、って顔して、


「エリザの事か?彼女は元気に新大陸を冒険しているが、彼女が何か?」


やっちゃった!だよねぇ!ゲームじゃあるまいし、無いわなぁ。


マリーさんが慌てて、「すみません!ご主人様は、とんでもない世間知らずなんです!」

ひたすら、謝っています。


ごめんなさい、マリーさん。


マリーさんが、俺に、反逆の錬金術師ディアマンドのことを説明してくれた。


要約すると、一人の錬金術師が、己の研究欲の為に、何十人もの人を、殺害した結果、同族殺しは認めない白龍様により、彼は、犯罪者であり、反逆者であり、更に、魔物へと落とされた。


その事に逆恨みした、その錬金術師が、一本の鉈を持って、神殿に「白龍を殺す!」と言いながら、乗り込んできたが、レオに返り討ちにあって、死んだ。


なんだかなぁ、スゲェ小物臭漂うお話し、でも、ラストニアでは有名な話しで、誰もが知っているそうだ、これじゃ、ゲームストーリーには採用されんわな。


俺が、マリーさんの話しを聞いているうちに、黄金の鉈を持ったオーク達が、その鉈をゴブリンの首に打ち下ろした!


わぁ!魔物が魔物を殺しているよ!


首を跳ねられた、ゴブリン達は、黒いチリとなり、黄金の鉈に吸収され続けた!


「あれは、何してんだ!俺には、オークがゴブリンを殺しているように見えるが?」


俺は、ジョセッペのじいさんに尋ねた。


「その通りじゃ!オーク共がゴブリンを殺している、本来、魔物は、魔物を殺せないはずじゃが、あの『龍殺しの鉈』はそれを可能にしているようじゃのう、それに、あの鉈は魔素まで吸収しているように見えるが、いったい、ディアマンドは、何処にいて、何をする気じゃ!」


五百体のゴブリンが消滅した時、五十本の鉈は、全て黒くなった。


オークの皇帝ドルゾックは、御輿よりゆっくりと立ち上がって、大地の一点を指差した。


そして、皇帝ドルゾックが差したその一点に、黒い鉈を持ったオーク達が、次々と黒い鉈を打ち込んだ!


鉈が打ち込まれた大地は、少しずつ隆起し、打ち込まれるたびに、光り輝き、隆起はやがて、三メーターの黄金の礎になった!


「あれは、錬金術!そうか!!奴が、皇帝ドルゾックが、ディアマンドじゃ!!!」


えぇぇぇぇ!!まさかの小物が、あの大物なの!!!


転生ってこと、俺以外にもいたの!


もう一方の黄金の鉈を持ったオーク達が、残りのゴブリンの首を跳ね始め、


そのゴブリンの魔素は、今度は鉈ではなく、黄金の礎に吸収され始めた。


五百体のゴブリンの魔素が、完全に礎に吸収された時、神殿中にガラスの割れるような音が、響き渡った!!


ジョセッペじいさんが怒鳴る!

「いかん、結界が一枚破壊された!あれは『破龍の礎』だ!!奴め、完成させおったのか!!!」


奴らは、更に、ゴブリンの首を跳ね続けた!


神殿勇者レオが大声で指示を出す!

「騎士団!出撃準備!!転移で出る、場所は、平原北の辺境の礎!!!」


すかさず、俺のほうを向いて、

「レイ、行こう!我らの出番だ!!共に世界を救おう!!!」


イケメンスマイルで言われてもなぁ、


マリーさんが、俺の腕を取りながら、


「ご主人様、行きましょう!」、


行こうかぁ、マリーさん。



 騎士団と俺達は、神殿の礎から、帰還の出来ない移動専用の小型の礎、ハイドル平原北側にある辺境の礎に転移した。


騎士団の構成は、シールドセージが百人、遊撃にファイターが五十人、牽制にハンター、ソーサラー共に三十人、後衛にプリーストが十人、合計二百二十人。


十万の軍団にたいしては、米粒のような数字だ、しかし、彼等はあくまで俺の護衛、神殿は、俺に賭けた!


ならば、俺もやる!約束は絶体守る、それがトップセールスマンだ、セールとは信頼が命!!


川を挟んだ、対岸のオークの皇帝ドルゾックは、こちらをチラリと見て、クィっと顎を動かした、オークの軍団長が、


「ウォォォォォ!!ヤレェェェェ!!」 と叫んだ!


戦いは、始まった!





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