俺、ケイことレオと出会う
真実を知った俺とマリーさんは、再び神殿の奥の殿の前室に来ていた。
マリーさんは、警備の騎士に、
「私は、ドリーダ家のマリエッタだ、元老院に取り次いでもらいたい!」
おっ、警備の騎士さん嫌な顔したぜ、
「反逆者のドリーダが何のようだ!ここは、お前達の来る場所ではない、帰れ!!」
「かまわん!通せ!」
えっ、奥から声が、霊力か?あの声は、ジジョセッぺの爺!
奥の殿の青い絨毯の両側には、巫女さん、神殿勇者のケイ、ジョセッペじいさんらそうそうたる顔ぶれだった。
俺達は、ジョセッぺ司祭長の前に来た、じじいは、「どうやら、やっと役者がそろったようじゃのう。」と言いやがる、このじじい最初から俺の正体に、気がついていやがった!
「では、覚「それ、やめてくんなぃ!俺は、冒険者のレイ ハリー ハウゼン、こっちは、俺のビショップのマリエッタ ドリーダ嬢。」
「そっ、そうか?では、単刀直入に聞くが白龍様は、このオーク動乱に対して、お主に何を、御告げなされた!」
回りの皆が俺を見ているよ、緊張するなぁ、あっ、巫女ちゃんと目が合った、巫女ちゃん、目がクリッとして、やっぱり可愛い、
「コホン、ご主人様、皆が待ってます。」
マリーさん、俺と巫女ちゃんが見つめ合っているのを、ちょっと気にしている。
「白龍様は、何も言ってないが、解決方法はある、俺は、その対価を聞いた!」
俺は、一呼吸おいて、
「対価は、俺自身とビショップのマリー嬢がオークを、1000体討伐すること!」
回りは騒然とした。
「オークを、」
「二人で、」
「千体!!」
ジョセッペのじいさんがあわてて、
「それで、お主にはそれが可能なのか?」
ちょっと期待している、
「今の俺では無理!俺の体力も、技の技術もじいさんと、かわらん!」
じいさん、ドングリ眼で、
「わっ、わしと、変わらんじゃと!」
そっ、俺は、英雄でも、勇者でも、スーパーマンでもない、只のセールスマンだ。
「只し、俺は、射程も短く、範囲も狭いが、初級の『メテオフォール』が使える!」
場は再び騒然とした、
「メテオフォールだと!」
「メテオは、中位の魔法だぞ!」
俺は続けた、
「そこで二つの御願いだ、一つは、俺に武器となる中位の大杖を貸して欲しい、もう一つは、神殿騎士団は、出来るだけ多くのオークを、俺が殲滅出来るように、一ヶ所に集めて欲しい!」
「その話、乗った!」
神殿勇者のケイが、握手を求めて、俺に近づいて来た、俺としては、巫女ちゃんに期待したんだが、残念。
「私は、ケイズ レオンハルト、レオと呼んでくれ。」
えぇ!ケイン ラインハルトじゃないの、ここでまさかの名前変更ですか!この世界の微妙差、半端ねぇ!
「で、レイ、その対価を達成するとどうなるんだ?」
神殿勇者のレオが聞いてきたが、
「俺には分からん、何が起きるかは、白龍様次第だ。」
この世界の運営が白龍様なら、イベントの演出は、達成した時のお楽しみにってことだろう、どうせ、聞くのにも対価を要求するし。
レオは、イケメンスマイルで、
「成る程、私達は黙って白龍様を信じろ!とゆうわけだ、気に入った!やろうぜ、レイ!我らなら出来る!!」 神殿勇者レオは、片手を上に挙げ、吼えた!
全員が、「オオオオオォォォォォォ!!!」
さすが、イケメン効果、全員が、何がなんだか分からないうちに、何だか、納得しちゃったよ。
感極まった、隻眼の大男が両腕を上に挙げて、俺に近づいて来た。
「レイ、俺は感動した!俺も是非、世界を救うために、あんたのビショップにしてくれ!」
俺は、「ことわる!」
全員が、「えぇぇぇぇ!!」
俺のビショップは、美人さん限定、巫女ちゃんにウィンク、巫女ちゃんプィとそっぽを向かれた、
「ご主人様!」 ちょっと、マリーさんお怒りぎみ、
「犠牲になるのは、俺だけで十分だ!わるいが、俺の気持ちをくんでくれ!」
「うぉぉぉぉ!レイ!あんたって奴は、」 隻眼の大男が感動して泣いている、ちょろい、
「ご主人は、口が上手すぎです!」
マリーさん、ボソッと呟いた。
聞こえてますよ、マリーさん、まぁ、セールスマンは、口が大事だからねぇ。
俺達と、神殿勇者レオ、巫女ちゃんとお邪魔な隻眼の大男、名前をガルダリンと言うそうだが、彼等と一緒に神殿の武器庫に来た。
神殿には、騎士団用に武器が保管されているが、殆どが、低位の一般品だった。
「こっちだ、レイ」
レオが、俺達を武器庫の奥に案内した、そこには、マーキュリーシリーズの武器が置いてあった。
「これは、我一族の!」
「そうだ、ドリーダ戦役で、神殿がドリーダ王より没収したものだ、レイ、マリーさん、今は、神殿には中位の武器は、これしかないんだ。」
レオが、ちょっと困った顔で俺達に言った、イケメンはその顔も絵になる。
俺は、金色の大杖を手にした、すると、武器の性能が薄く、俺の目の前に表示された。
☆が三つだ、まだ強化できる筈だが、この世界では可能なのだろうか?
D&Dは、基本無量なので、ゲームの世界に二つの通貨が存在することになる、
GM、ゲームマネーと、RM、リアルマネーだ、確か強化の場合、☆が四つまでがGM で、それ以降がRM 、☆一個、二千円だったかな?
俺は、レオに聞いてみた、
「武器の強化とか、ここで出来るのか?」
「神殿の錬金術師が出来る、只し、ある一定以上の強化を御願いすると、彼等は、古代金貨での支払いを要求する。」
なるほど、RM が古代金貨になるのか、
「レオ、この大杖を、魔法の威力を上げるためにも、最強に強化できないか?」
「出来るが、問題は時間だ、最強だと一年は掛かるぞ。」
俺は、思案して、
「では、一日で、出来る限り、それと、メテオの練習が、出来る場所を知らないか?」
「私、知ってますぅ!ブリダ海岸が良いと思いますぅ!」
アイドルグループ、BKBのセンターを務める、カジハルちゃんに似た、巫女ちゃんがいきおいよく言った。
「私、よくブリダ海岸に行って、あの海に向かって大声を出すんです、スッキリするんですよォ。」
巫女ちゃん、苦労しているんだね、俺は、巫女ちゃんの肩に手を置いて、
「死んじゃ駄目だよ、生きていれば良いこともある。」
巫女ちゃん、キョトンとして 「えっ?私、別に死にませんけど?」
ですよねぇ、ゲームじゃあるまいし。
「ご主人様、ブリダなら、私が案内できます、それに、私も、シールドセージとしてご主人様を守る練習をします!」
俺と巫女ちゃんの雰囲気を気にして、マリーさんが、あわてて口をはさむ、
「いや、俺を守るのは彼だ!」
ガルダリンを叩いた。
ガルダリン、ちょっとあわてて、「おっ、おう、任せとけ!」
「マリーさんは、エレメントアーチャーだ、俺の支援に徹してくれ、それと、レオ、これと、こっちも強化してくれ。」
俺は、カードから、マリーさんの剣と盾を、そしてこの神殿武器庫にある、摩道弓をレオに渡した。
「わかった、レイ、それと、ブリダ迄は、神殿の精霊馬を使え、王族のマリー嬢なら乗りこなすことが出来るはずだ!」
精霊馬?
D&Dには牛はいるけど馬はいない、基本乗り物はない、精霊馬はこの世界のオリジナルなのか?