第39話 聖女様は大魔王
ようやく、大魔王まできました。
あれ?割とまともに主人公の戦闘描写するの久々というか、初?
なお、すでに力の使い方にはなれてきているという設定です。
「「「大魔王様万歳、大魔王ミツキ様万歳!!!」」」
いや、マジでナニコレ?
どうなってるの?
か弱い乙女に向かって大魔王はないんじゃないかな?
「大魔王様、いつものように国民に向かってスピーチをお願いします」
背中に翼が生えたイケメンの男性が私にマイクを渡してくる。
隣には、10歳くらいの可愛い女の子が私をきらきらとした目で見ている。
いつものようにってなに!?
知らないんだけど、ねぇ、邪神様見てるんだよね?
心の声も聞こえているんだよね!?
なにか返事をしてよ!
『大魔王っぽく、はなせばいいのです。』
返事来たけど意味が分からない!?
『じゃあ、ボクはこれからおひるねするのです』
ねぇ、それって見捨てるってこと、やめてほんと
…でも、よくかんがえると、それ、嘘だよね?
『ぎくっ』
邪神様がこんな面白そうなこと見逃して寝るはずがないよね
『と、とにかくはなせばいいのです、みんなまってるのです』
仕方がない、とりあえず
バルコニーにでて手を振ってみる。
「おお、大魔王様だ、大魔王様のお姿が見えたぞ」
「ミツキ様ー!!!!」
なんだこれ…
私は手を振っただけなんだけど…
次どうしよう、前振りなしで
情報皆無な状態から話すとか難易度が高すぎる!?
こういうときはあれだよね、無難になにかパフォーマンスをすればいいよね!
でも何をすればいいの?
私が悩んでいると、バルコニーの入り口のほうが騒がしくなった。
「そこをどけ、俺は人間を魔王など、主などとは認めていない!!!」
「し、しかし…」
「よい、行かせてやれ」
バルコニーに現れたのは
ワンちゃんの顔をした、鎧を着込んだ人だった。
斧を持ってる。
私は思った
ありがとう!とてもいいタイミングで乱入してくれて!
助かります。
いやほんと、次にどうしようかと悩んでいたので。
犬さんには感謝の気持ちに堪えません。
そんなわけで、感謝の気持ちを込めて
にこりと会釈することにしました。
「こんな状況で笑みを浮かべる、だと…余裕の証ということか」
いえ、ものすごくてんぱってましたが
でも、犬さんのおかげで少し余裕が出てきたかも。
「俺は魔王軍四天王が1人、ケルベロスの王
獣王ブラドグルズ、貴様に一騎打ちを申し込む!」
犬さんは走ってくると斧を振りかぶってこられました。
「獣王爆砕破!!!!」
斧が光を纏いながら私の元に向かってきます。
とりあえず、止めておきます。
がしっとな。
「片手で止められた!?ぐぎぎぎぎ、ぴくりともうごかん!?
なんという力だ!?俺は魔王軍一の怪力を誇っているのだぞ!?」
犬さんには恩があるので傷をつけるわけにもいかないし
ちょっと次の行動に悩んじゃう。
「何だその顔は…俺の力に失望したとでもいいたいのか…?」
いえ、来てくれてとてもよかったです、はい。
とりあえず、斧は犬さんを傷つけちゃうと危ないので
折っておきましょう。
ぽきっとね。握りつぶします。
「お、俺の斧が…握りつぶされた…」
あれ?大切なものだった?
もしかして悪いことをしたのかな?
と、思っていると私の体が炎に包まれます。
「何をやっているブラドグルズ、
相手は腐っても大魔王を名乗る存在、
四天王1人では勝ち目がない、我らが主は魔王ルキフェウス様ただ1人
ここは力を合わせるぞ!」
「炎王アグニか、だが俺は一騎打ちを…」
「そんなことをいっている場合ではない!」
こんどは空を飛ぶ炎に包まれた人がでてきました。
炎に包まれていて暑くないのかな?
犬さんとなにやらいいあっています。
それに、私は腐ってないですよ?
そっち方面の趣味はないです。
そして私が大魔王を名乗ったわけじゃない!
ここ、重要だからね!
ところで、この私に纏わりついている炎
どうすればいいのかな?
熱くはないんだけど…
とりあえず、手で払っておこう。ぱぱっとね。
「…全てを焼き尽くすまで燃え尽きることのない
私の炎獄殺で無傷…どころか軽く払っただけで…!?」
ゴロゴロ…次は空の雲行きが怪しくなってきました。
暗いです。雷がゴロゴロと鳴っています。
ドンガラガッシャーン
あれ?雷が私に落ちましたよ?
『四天王が二人もそろっておきながら手も足も出ぬとは情けない』
「雷竜ヴォルテクス、来てくれたのか!」
空から雲を割り現れたのは大きな竜さんでした。
リンちゃんの親戚かな?
『我が雷でさえ、まるで効いていないのか…!?』
「だが、これで四天王が3人、これなら…!」
「違うな、4人だ!」
「剣鬼アルザール、お前も来てくれたのか!」
角の生えた人が突然現れ、私に剣を振りかぶってきます。
キィン!
剣が私の体に当たって、折れた刀身が床に落ちます。
「ば、馬鹿な俺の剣が折れた…!?」
なにかどこかで見たような光景が…
皆さん固まってしまいました。
「えーと、その、私も攻撃をしたほうがいいですか?」
ここまで盛り上がってるのに、
私だけ突っ立ってるのはしらけるよね?
聖女ビームはちょっと危険だし…
あ、なんか四天王の人たちがびくっと震えています。
しかたがない、とりあえず、安全そうな魔法で
場をしらけさせない程度に盛り上げないと。
「キャンドルファイア」
私は小声で小さく魔法を唱える。
「ぎゃああああああ、熱いいいいいい!?」
「アグニ!?」
炎に包まれた人が火柱に包まれる。
『そ、そんな、炎の化身である炎王が焼かれる…だと!?』
竜さんは、電気に強そうなので
「マッサージボルト」
『あががががががが』
竜さんは雷の球に包まれた。
「雷を力にしているヴォルテクスが…雷で…やられている…」
「俺の…剣…」
鬼の人がすごく落ち込んでいる。
なんかごめん、剣を折っちゃって…
「えーっと、犬さんと鬼さんはどうしたらいいのかな?」
犬さんと鬼さんは私の言葉に顔を合わせると。
「「降参します」」
二人して土下座された。
あれ?なんで土下座してるの?
私はありがとうっていいたいのに。
「さすが大魔王様だ、四天王様すらまるで相手になっていない」
「大魔王様万歳!ミツキ様万歳!」
私はとりあえず、皆に手を振ってバルコニーから
城の中へと戻ることにした。
ふう、無事に何とか乗り切ったぞ!
邪神様の罠になんか、負けない!
四天王マジありがとう!
ネタでいきなりスピーチを振ったはいいけど、内容が思い浮かばなかったので乱入してもらった。
四天王は大魔王の生贄になったのだ。




