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聖女様は貧乏性  作者: ぶらっくたいがー
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第37話 閑話 背後で蠢くもの

閑話ラストー、次からやっと主人公に出番が!

第1章的な終りということで状況を動かしてみました。

今、フェルタニア王国の城下町は活気があふれていた。

人の通りは多く、市場は喧騒が鳴り止まない。


浄化された魔石、それは本来貴重なものなのだが

今では大量に存在している。

魔石自体の数は多いのだが、浄化されたものとなると一気に貴重になるのだ。

それを呼び出された聖女が、全て浄化するという奇跡を起こしたことで、解決がなされた。

また、浄化された魔石を用いれば、その地の瘴気を除去するだけではなく

魔物を寄り付かせない効果を持つ

それに瘴気のない地域では魔物は凶暴化しておらず

空腹時以外は襲い掛かってくることはない、ただの動物と似たようなものだ。

つまるところ、道の各所に設置しておけば、安全性が格段に増すのである。

それゆえに、ここぞとばかりに物の流れが増えたのである。


「これも、全て聖女様のおかげだ、ありがたや」

「聖女様は女神様の生まれ変わりって話はきっと本当のことなんだろう」


城下町の者の多くは聖女を信奉していた。

奇跡を起こし、多くの恩恵を与えたのだ、当然の事だろう。

ほとんど姿は見せず、見せたとしても手を振っているくらいしかしていなかったため

本人のなりを直接知らないのだから、

都合のいいように、神格化されたとしても仕方がない

なにより、フェルタニア王国として、そのように情報操作をしているのだ。

もっとも、大半のことが客観的に見なければ事実であり

情報操作をしている側もそれを信じていたりするのだが。




「ふむ、これら全ては聖女様のお力、ということか」


フェルタニア国王、アーサーは城下町を見ながら考えていた。

聖女ミツキ、彼女は最初に呼び出されたときは、帰りたいと泣いていたと聞く。

だが、実際あってみると、そんな様子はまるでなく

明るい様子で、そのようなことをまったく考えていないことが見て取れた。

どういうことだと考えた、最初はこちらをはめるための演技ではないかとも疑った。

だが、そんな演技などしている様子も見えない。

もっとも、魔将軍に襲撃された直後はなにかを隠しているようだったが…

魔将軍になにかされたのだろうか…?


たまに厨房に忍び込んでつまみ食いをして

とてもおいしそうに食べているという報告を聞いたとき

疑っているのが、馬鹿らしくなった。

忍び込まなくても頼めば喜んで皆作って持ってくるだろうに…


彼女はそれほど現状に悲観していないようだ。

その様子を聞き、少し心が軽くなった。

年端も行かぬ少女が見知らぬ地にたった一人でいるのだ。

心が壊れてもおかしくないだろう。

私は、私が聖女様に出来ることがあるのならばなんでもするつもりである。

それが、我が国のためという理由で呼び出した者の義務だろう。


浄化の旅は順調だという報告を受けている。

まさかその地に赴くだけで勝手に浄化されるなど思いもよらなかった。

他にも無限の泉を持つマジックハウスなど、驚かされることばかりだ。

1ヶ月後には一度戻ってくる手はずとなっている。

帰還時のパレードはできるだけ盛大に行うとしよう。

そんなことを考えていたとき、不意に部屋の中に気配がした。


「何者だ…?」

『ほう?我が気配に気づくとは、矮小なる者としてはなかなか使える者の様だ。』


突然、部屋の景色が歪んだかと思うと

闇とともにローブを纏った者が出現した。

濃密な瘴気があたりに撒き散らされる。

ローブの中に見えるのは、目に赤い光をともす頭蓋骨であった。


何者かなどと考える前に

即座に剣を抜き、切りかかる、手ごたえはあった。


『人間の力では、我に傷つけることあたわず』


だが切り裂いたにもかかわらず、奴は無傷だった。


「何者だ、貴様!?」

『人間よ、貴様に命ずる、聖女を殺せ』


私の体に瘴気が纏わりつく。


「どういう意味だ、私がそのようなことをするとでも…

 ぐあああああああああああ!?」

『ふむ、抵抗をするか、やはり人間としてはなかなか使える駒のようだ』


聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ

聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ聖女を殺せ


私の頭の中に奴の声が響く…まずい、意識が…


『我が何者だと聞いていたな、よい、答えてやろう。

 我が名は邪神エンドオブワールド。

 この世界に終りを告げるモノだ。』

「邪神…だと?」


そして、私の目にフェルタニアの王都が奴の瘴気で覆われていくのが見えた。


『我が名において命ずる。さあ、フェルタニアの民よ、

 自らを救いし聖女をその手で持って殺すのだ』


城下から声が聞こえる。


「「「「聖女を殺せ!聖女を殺せ!聖女を殺せ!聖女を殺せ!!!」」」」


先ほどまで、活気にあふれていた城下は狂気で満ちていた。


ランスロットよ、我が息子よ、聖女様をお守りするのだ…!


そして私の意識は闇に落ちた。

主人公がでないとコメディにならない件。

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